「店頭から自宅」「書類からアプリ」へ変化。口座開設アプリのテクノロジー

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2016/11/10

さまざまな便利な機能が使いやすく実装され、多くの人が活用できる。ITを使ったそんなサービスを「スマート」と形容することがある。スマートフォン(スマホ)やタブレットなど、最新の電話やモバイル機器を「スマートデバイス」と言うのは、代表的な例の一つだ。

ITを金融領域に活用することでより使いやすくなれば、銀行などの金融機関が「よりスマートに」使えるようになるかもしれない。今ではネットバンキングが普及するなど、よりスマートに使う環境も整いつつある。

加えて最近、スマホから金融機関の口座開設ができるアプリも相次いでリリースされている。2016年9月に口座開設アプリを公開した、三菱東京UFJ銀行(BTMU)の取り組みに焦点を当てて解説する。

店頭から自宅へ、書類からアプリへ変化した手続き

金融機関はすでにスマホ向けに多くのアプリを提供しており、口座開設アプリも各社から登場している。その中で、BTMUはスマホで口座開設をするためのアプリ「スマート口座開設」をリリース。新規顧客獲得のために、UX(User Experience:ユーザーがサービスを通じて得られる体験)の観点から利便性を徹底的に追及したものになっている。

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アプリ「スマート口座開設」について説明するBTMUの加藤氏(写真=ZUU online 編集部)

スマホでの申込みで何が変わるのか、簡単に確認しておこう。

最初に思い浮かぶのは、今まで口座開設を行う際は銀行などの店舗を訪れなければならなかったものが、自宅で申し込めるようになることだろう。もう一つは、作成しなければならない書類が減ることだ。従来の方法では、口座の開設の申込書に、手書きで書きこまなければならなかったが、スマホの画面で情報を入力するという、より簡単な操作で口座の開設を進められる。スマホの口座開設アプリを使用するメリットは、この2点がある。

次に、アプリを使った口座開設の過程も見ておこう。従来は本人確認書類を店舗に持参していたが、アプリでは本人確認書類を撮影して送ることで本人確認できる仕組みとなっている。アプリで口座開設の手続きを進めていると、運転免許証やマイナンバーカードといった本人確認書類の撮影を求められる。そこで自分の本人確認書類を撮影する。後は、口座開設に必要な情報を入力するだけだ。

すでにいくつかの銀行が口座開設アプリをリリースし、スマホで口座開設を申請できるようになっているが、BTMUの「スマート口座開設」は他と異なる特徴的な点を有している。そちらにも焦点を移していこう。

IC運転免許証とNFCによるデータ読み取り

昨今、ICチップを埋め込んだカードが増えてきている。例えば、マイナンバーカードや運転免許証がある。現在では銀行もICチップを埋め込んだキャッシュカードを使用しており、より強固なセキュリティを実現できることからも注目されている。

さて、BTMUの「スマート口座開設」とICチップの組み合わせの何が注目されているかと言えば、運転免許証のICカード機能を活用している点だ。日常生活ではなかなか意識されないが、現在の運転免許証にはICチップが埋め込まれており、NFC(近距離無線通信、Near Field Communication)リーダーを経由して、無線でデータを受け渡す機能が備わっている。「スマート口座開設」は運転免許証をスマホのNFCリーダーにかざすことで、名前や住所等を自動的に入力できるようになっている。

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(写真=ZUU online 編集部)

BTMU デジタルイノベーション推進部で「スマート口座開設」の開発を担当した加藤氏は、「ICチップの情報をNFCで読み取って活用する口座開設アプリは他にはない。より使い勝手の良いアプリをめざし、この機能をもっと活用していきたい」と説明。

ただし、運転免許証の読み取りに対応可能な機種は限られている。現時点(2016年10月24日)では、NFCリーダー機能は基本ソフト(OS)にAndroidを採用している機種にしか搭載されていない。iPhoneへの対応は、今後の課題として残されている。

印鑑不要で手続きの簡便化を実現

他にも、従来の手続きを容易にする工夫が施されている。銀行での手続きでは印鑑が必須というイメージがあるが、BTMUのアプリ「スマート口座開設」では「印鑑レス口座」を開設できるのも特徴の一つ。ネット専業銀行を中心にすでに印鑑そのものを廃止しているところもあるが、BTMUではメガバンクで初めて「印鑑レス」の普通預金口座の運用開始に踏み切っている。

加藤氏とともに、「スマート口座開設」の開発に携わった神谷氏は、印鑑レス口座について「印鑑レス口座を作り上げ、自信を持って届けられるものになった。ネット専業ではない銀行で印鑑レス口座を開設できるのは新しい取り組み」だと解説する。

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(写真=ZUU online 編集部)

また加藤氏は、「スマート口座開設」の利用者について「主に、20~30代のスマホ世代が対象になると考えている。9月にリリースした後、ダウンロード数は順調に伸びており、知名度も高まってきている。今後、就職内定者や新社会人が口座を開設する来年の2~3月には、特に使ってもらえるのではないか」と期待を込めて語る。

口座開設も含めて、金融サービスをより便利に利用できるツールがスマホやタブレットを中心に広がっている。引き続き、利便性向上のためのデバイスやツールが登場してくることを期待したい。

※「スマート口座開設」アプリでの口座開設ならびに「印鑑レス口座」開設には、ご利用にあたり条件等があります。くわしくは三菱東京UFJ銀行ホームページをご覧ください。

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