実力均衡の大接戦!第5期「MUFG Digital アクセラレータ」DEMO DAYを本イベント初となるオンラインとオフラインのハイブリッド形式で開催(前編)

実力均衡の大接戦!第5期「MUFG Digital アクセラレータ」DEMO DAYを本イベント初となるオンラインとオフラインのハイブリッド形式で開催(前編)

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2021/06/14

2021年1月。パンデミックで世の中が大きな影響を受ける中、世界に変革をもたらす熱意を持った起業家・ベンチャー企業のメンバーと三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)がタッグを組み、革新的なビジネスの立ち上げを目指すアクセラレータ・プログラム「MUFG Digital アクセラレータ」がスタートした。
「MUFG Digital アクセラレータ」は、MUFGが2015年に設立した邦銀初のスタートアップアクセラレータ・プログラム。決済、融資、資産運用などのフィンテック領域や、AI、ブロックチェーン、IoTなどの先端技術を活用した事業領域を主な対象として、MUFGが総力をあげて事業プランのブラッシュアップ、プロトタイプの構築支援、事業プランの方向性に合わせたパートナー選定、アライアンスなど、事業化に向けたステップを全面的に支援する約4ヶ月間のアクセラレータプログラムだ。

本プログラムの第4期までに参加した26社中7社にMUFGグループ各社から出資した実績があ る。第5期となる今回は、新型コロナウイルスの影響による日程の延期があったものの、過去最多のエントリーがあり、多くのスタートアップ企業が本プログラムに興味を示していることが伺えた。

そして、2021年4月16日。エントリー企業から選出されたスタートアップ企業にとって重要なマイルストーンとなるピッチコンテスト「DEMO DAY」が開催された。応募企業の中から一次選考(書類)、二次選考(ピッチ)を経て選ばれたアルプ株式会社、Crezit株式会社、サステナブル・ラボ株式会社、株式会社トーラス、yup株式会社の5社が登壇。4ヶ月間のメンター・ファシリテーターによる短期集中支援プログラムを経た成果を、各社8分間のピッチと5分間のQ&Aセッションで競い合った。

従来オフラインで開催されていた当イベントだが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の為、東京・日本橋にあるMUFGが運営するイノベーション施設「MUFG SPARK」を会場としながらオンラインでの審査を行い、同イベント初となるオンラインとオフラインのハイブリッド形式で開催された。

 

金融業界も競争が激化。今の業務の延長上に未来はない。


写真:三菱UFJフィナンシャル・グループ 執行役常務 デジタルサービス事業本部長 兼 グループCDTO 大澤 正和氏

各社の発表に先立ち、三菱UFJフィナンシャル・グループ 執行役常務 デジタルサービス事業本部長 兼 グループCDTOの大澤 正和氏が挨拶。
「今回の第5期はコロナ禍という非常に特殊な、物理的に集まることができない状況の中でオンラインを中心にプログラムを進めて来た。スタートアップ企業様にとってはアドバイザー・プロメンターと直接会う機会が少なかったと思うが、その環境の中でも素晴らしいビジネスモデルが生み出されようとしていることに感謝している。
社会全体のデジタルシフトの状況において金融業界も競争が激化しており、新しいことにどんどんチャレンジしなければ今の業務の延長上にメガバンクの未来はないと考えている。このアクセラレータ・プログラムはMUFGにとっても重要な意味を持っており、これまでプログラムに参加した半数以上の企業と何かしらの形で協業が進み、実際に我々のサービスに組み込まれているケースも多数ある。
今後もスタートアップ企業様の斬新なアイデアやテクノロジーとコラボレーションして新しいサービスを生み出していく、オープンイノベーションの考え方を大切にしていきたい。
今日はスタートアップ企業様の個性や魅力を存分に感じられる一日になるだろうと審査員一同期待している」
と今回のプログラムへの想いを語った。
 

ビジネスモデルのブラッシュアップをよりスピーディーに


写真:三菱UFJフィナンシャル・グループ デジタルサービス企画部 調査役 尾高 孝祐氏

続いて、プログラム事務局代表として、三菱UFJフィナンシャル・グループ デジタルサービス企画部 調査役 尾高 孝祐氏が、プログラムの目的や参加メンバーの役割、プロメンター/アドバイザーなどを紹介し、各賞の審査項目を説明。
「MUFG Digital アクセラレータは、スタートアップ企業を中心に、プロメンター(外部ベンチャーキャピタル)、MUFGメンター、そして三菱UFJキャピタルがチームを組み、事業構想・協業についてのディスカッションを行なう。さらに事務局がファシリテーターとして各チームに入り、ビジネスモデルのブラッシュアップをスピーディーに行うよう工夫している。
新型コロナウイルス感染症拡大防止の為、従来オフライン開催のみのクローズドなイベントとして開催してきたが、今回は本イベント初となるオンライン配信とのハイブリッド形式での開催となった。オンライン配信をすることでより多くのオーディエンスの方に本プログラムを知ってもらうきっかけになれば嬉しい」

その後は各社の代表が登壇、各社8分間の熱の入ったピッチが行われた。その内容を発表順に紹介する。

 

スタートアップエコシステムに大きな一石を投じます!


写真:アルプ株式会社 Co-Founder, 代表取締役 伊藤 浩樹氏

アルプ株式会社は変数と課題の多いSaaSやサブスクリプションビジネスにおける契約・請求管理を中心とした販売管理プラットフォーム『Scalebase』を展開。商品・契約・請求管理オペレーションにおける複雑性を解消し精度の高い情報に基づいた、正しい経営判断を支援するサービスだ。
アルプ株式会社 Co-Founder, 代表取締役 伊藤 浩樹氏は
「SaaSやサブスクリプションサービスは同じ商品でも顧客・契約単位で販売・請求条件が変わり、時期によってプライシングが変わるという特徴を持っている。それゆえ、多くの事業者様が契約・請求管理に悩まれているのが現状。それをワンプラットフォームで解決すべく『Scalebase』をリリースした」
と事業説明をした後、
「『Scalebase』の顧客状況、国内スタートアップ資金調達額・関連社数推移、海外市況を鑑みると、今後スタートアップ向けの融資のチャンスは大きい反面、メガバンク側もやりたい、やるべきという認識を持ちながらも既存枠の延長線上では実行では難しいという印象を持った。既存の枠組みでの成長企業向け融資の難しさを踏まえ、スタートアップ・成長企業に対する融資の裾野を拡げるためメガバンクでは手の届かない部分に『Scalebase』の事業価値で補完できないかと考えている」
と熱く語った。

 

テクノロジーによって日本の消費信用市場に新しい波を起こします!


写真:Crezit株式会社 COO 村井 亮太氏

融資申請から審査、回収まで事業会社による金融事業への参入を加速させる与信プラットフォーム Credit as a Service『X Crezit』を展開するCrezit株式会社。ミッションは、“信用を最適化して、人の可能性を解き放つこと”。最適な信用とはその人のことを一番よく知る事業者による与信であると定義し、長きに渡って変化が起きなかった日本の消費者信用市場において、テクノロジーやデザインによって変革を起こしていくことを目指している。
「日本の個人向け無担保ローン市場を注目すると、トラディショナルな上位5社が約9割の市場シェアを持つ寡占市場であるが、米国におけるFinTechの躍進はめざましく、2013年にたった7%だったFinTechのシェアが2019年には約50%まで拡大。与信事業を行いたい新しい事業者がいるにも関わらず、与信事業を行うために必要な対応項目は膨大。さらに、これに対応するシステムを構築するだけで莫大な費用やリソースが必要となる。与信事業を行いたい事業者に『X Crezit』を提供することで、新事業拡大に必要なシステムを一括で提供することで与信事業の参入障壁の高さを払拭したい」
とCrezit株式会社 COO 村井 亮太氏は語る。

 

サステナビリティ評価の民主化で、人類の未来を照らす


写真:サステナブル・ラボ株式会社 代表取締役 CEO 平瀬 錬司氏

「先が読めない超速変化の時代。超長期戦略としてSDGsの取り組みが重要になってきている。しかし、SDGsの取り組みが重要だと分かっていても、非財務価値は本当にお金になるのか?そんな問いに真っ向から答えられる企業は少ないのではないか」
と冒頭から独自視点でピッチをスタートしたサステナブル・ラボ株式会社 代表取締役 CEOの平瀬 錬司氏。
サステナブル・ラボ株式会社が展開する『ESGテラスト』は非財務価値の財務インパクトを測ることができる新しいデータプラットフォーム。SDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)やESG(Environment 環境・Social 社会・Governance ガバナンス)の推進は新たなリソースの投入が必要である一方、収益や株価への貢献などの費用対効果が不透明である。その費用対効果を見える化、改善することこそがより良い社会をつくると信じ、世界を照らす『ESGテラスト』は、独自のデータ設計とデータ抽出技術、機械学習による解析を用い、企業のサステナビリティ推進の“納得解”を提供する。
「非財務ビッグデータの科学で人類の未来をともに照らしませんか?」
とピッチを締めくくった。

 

不動産データの力を解き放ち、安心な不動産市場を実現します


写真:株式会社トーラス ビジネスディベロップメントマネージャー 前田 有香氏

親族の急死に伴う相続税の支払いで早急に土地を売却しなくてはならなくなり安値で買い叩かれた…、儲かると言われて始めた賃貸マンションへの投資、高値でつかまされてしまった…など不動産トラブルが後を絶たない。こういった問題が起こるのは専門業者だけが情報を独占していて、消費者が有益な情報に触れることなく契約に至ってしまうことが原因と考えられる。
株式会社トーラスでは登記簿へのアクセスが便利になれば多彩な提案により情報格差が解消されると考え、不動産の情報格差を解消し自由な市場競争を促すべくオンライン化された土地登記簿データベースを構築。創業以来、不動産登記簿を取得し続け、現在では日本トップクラス1000万世帯の登記簿データベースを保持する。また、今後情報の精度を上げていくため、様々な業種の専門家とタッグを組むことを検討している。
「金融機関による既存顧客への提案は情報格差解消に不可欠だ。とは言え、金融機関からの情報提供は厳しいと知っていた。より良いサービス提供のために金融機関とぜひタッグを組みたいと思い、本プログラムに参画した」
と語るのは、株式会社トーラス ビジネスディベロップメントマネージャー 前田 有香氏。銀行は総資産営業という不動産だけではない総合的な金融資産を鑑みて提案を行っていて、それがお客様への多角的な提案へとつながると明言する。
 

スモールビジネスにやさしい「支払い」で新しい挑戦を後押しします


写真:yup株式会社 代表取締役社長 阪井 優氏

スモールビジネスの経営者がより本業に集中できるよう、“メンドウな請求書の支払作業をなくす”というコンセプトのクラウドサービス『billbill(ビルビル)』を開発するのは、yup株式会社 代表取締役社長 阪井 優氏。阪井氏曰く、
「このサービスに取り組もうと思ったのは、自分の会社に届いた請求書の山々とそれらを管理するためのエクセルデータがきっかけ。これほどクラウドサービスが普及しているにも関わらず、支払い漏れや二重払いの経験から請求の抜け漏れを防止するためにエクセルで管理するようになっていた。ちょっとしたミスが自社・他社にも多大な影響を及ぼす請求業務。これをなんとか仕組みで解決できないかを考えた」
今回の新規事業立ち上げに対し、中小企業・中堅企業・税理士など50件を超えるヒアリングを実施。当然の結果だがほとんどの企業が請求業務に悩んでいることが判明。また、『billbill(ビルビル)』を活用すれば多くの税理士事務所が請け負っている伝票入力作業も軽減化できることが分かり、当初予定のなかった『billbill for 税理士』という新しい事業モデルも浮かび上がった。
本プロジェクトを通して、MUFGが持つ決済システムと『billbill(ビルビル)』がコラボレーションすることで、今後銀行の決済システムを活用した新しい請求管理サービスを目指すという。

過去卒業した先輩起業家によるトークセッションも開催
後半には第3期、第4期のグランプリ受賞企業、クレジットエンジン 代表取締役 内山誓一郎氏、株式会社GINKAN 代表取締役 神谷 知愛氏が登壇し、パネルディスカッションも実施。グランプリ受賞までの苦労話や受賞後の変化などについて実体験を語った。


(左から:当イベントの司会を務めたForbes JAPAN Web編集長の谷本有香氏、クレジットエンジン 代表取締役 内山誓一郎氏、株式会社GINKAN 代表取締役 神谷 知愛氏)

審査員を代表して大澤 正和氏が総評を述べた。

「5社それぞれの魅力が伝わる本当に素晴らしいプレゼンテーションだった。5人の審査員が持つ点数を集計したところ結果はほぼ横一線。ここまで接戦だったことは未だかつてなかった。グランプリ・準グランプリがパートナー賞の受賞企業と重ならなかったことを考慮すると、すべてのビジネスが個性的で甲乙付け難いものだったと思う。
今回発表された内容はいずれもスタートアップならではの視点から生まれたアイデアがベースとなっており、発想そのものが特異性・優位性を持っている。それらをさらにブラッシュアップさせていくことで、今後中小企業のデジタル化や金融機関における新ビジネス創出につながるであろう。
こういった形で「MUFG Digital アクセラレータ」に寄せられたアイデア・テクノロジーは、金融機関にとっても事業会社にとってもメリットが大きいソリューションである。MUFGでの活用機会を創出していくのはもちろんのこと、MUFG以外の金融機関あるいは他の産業も含めて、日本のデジタルトランスフォーメーションに貢献することは間違いないと確信している」

最後に、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ デジタルサービス企画部長の岩瀬豪氏が閉会の挨拶を行った。


写真:株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ デジタルサービス企画部長 岩瀬豪氏

「2015年から始めた、このプログラムがここまでの規模になり、その間に様々な企業との連携も進んできた。しかし、MUFGとしては、オープンイノベーションを進めていくにあたってまだまだできていないことがあり、技術やアイデア、やる気、こだわり、スピード感を含めてスタートアップの皆様から得るものが多いと思う。
今年度から、マス層にフォーカスした新たな部門を立上げ、これからより一層チャレンジを進める。1年後、多くの方にMUFGは変わったと言われるためには一層皆さんとの絆を深め、日本・世界の発展に貢献し、持続的に、社会の成長に向けて取り組んでいきたい」と述べ、当イベントを締めくくった。
審査員による厳正な審査を経て、第5期アクセラレータプログラム各賞は以下企業が受賞した。

●グランプリ
アルプ株式会社

●準グランプリ
株式会社トーラス

●パートナー賞
・AWS賞:Crezit株式会社
・Microsoft Award:サステナブル・ラボ株式会社
・DEJIMA賞:yup株式会社
・PR TIMES賞:全スタートアップ5社

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