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本気と本気は響き合う、第4期「MUFG Digitalアクセラレータ」準グランプリ「ファンズ」が体験した4カ月間

本気と本気は響き合う、第4期「MUFG Digitalアクセラレータ」準グランプリ「ファンズ」が体験した4カ月間

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2020/03/16

三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)が2015年から運営するスタートアップ支援のアクセラレータプログラム「MUFG Digitalアクセラレータ」。第4期のプログラムを締めくくるDEMO DAYで準グランプリに輝いたのがファンズである。同社の藤田社長は、プログラム期間中の充実したサポートを通じて形にできた、MUFGグループ企業との協業のビジョンを振り返った。

個人投資家と事業会社をつなぐファンズのビジネス

2016年11月に創業したファンズ(旧社名クラウドポート)は、資産運用をしたい個人と資金調達をしたい企業をつなぐことを目指し、企業が事業資金調達のために組成したファンドへ、匿名組合契約を通じて個人が1円単位で投資できるマーケットプレイス「Funds(ファンズ)」を運営するスタートアップである。

同社がサービスを開始した2019年1月以来、広告やインフルエンサーマーケティングを使って募集した登録会員は、1年間で2万人を超えた。購入できるファンドも、募集するや否やあっという間に売り切れる人気を誇る。あまりの人気に、「リリース半年後には抽選制での購入も導入した」と藤田氏は話す。国内では低金利時代が長く続く中、個人の資産運用において、価格変動リスクの高い株式への投資は容易だが、流動性は低くても銀行預金よりも高い利回りを堅実に得たいというニーズに応えるデット商品の選択肢は少ない。このニーズを満たすサービスを提供することで、ファンズは個人投資家の支持を得た。

事業会社にとってもファンズを活用するメリットは大きい。藤田氏によれば、そのメリットは大きく2つある。1つは、資金調達手段の選択肢が増えることである。現在の同社の顧客に、不動産やノンバンク、上場から数年のポストIPO企業が多いのは、その旺盛な資金需要を迅速に満たす手段を提供しているからである。もう1つは「この会社を応援したい」という気持ちを持つ個人投資家との関係づくりに寄与することだ。企業側はファンド運用期間中に食事会やイベントなど、様々なかたちで個人投資家とコミュニケーションを取ることができる。これらの取り組みを通じて、ファンや顧客になってもらうことを期待できる。

こうして、個人投資家と事業会社の両方のニーズを満たすマーケットプレイスを整備してきたファンズであったが、投資先となる事業会社の開拓はとりわけ手間隙をかける必要がある。というのも、企業財務にかかわる意思決定を引き出すには、決定権限を持つ経営企画部長や財務部長の気持ちを動かす必要があるからだ。これまでファンズでは、株主や経営顧問からの紹介を通じて、コツコツと事業会社を開拓してきた。しかし、事業を拡大するためにもこの事業会社の開拓が課題だった。

経営者のフルコミットに見合う充実したサポート

事業会社の開拓では、日頃から財務部門との関係を構築しているネットワークへのアクセスが近道となる。もっと多くの事業会社と接点を持ちたい。そう考えたファンズは、MUFGが主催する「MUFG Digitalアクセラレータ」に応募することを決め、2019年3月、プログラム4期に採択された。

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ファンズ株式会社 代表取締役社長 藤田雄一郎氏

「僕たちのような金融ビジネスのスタートアップは、自分たちだけではビジネスをスケールさせることは難しい。実績があり経験豊富な多くの企業と手を組みながら、資産運用の領域を切り拓きたいと考え、応募しました」(藤田氏)

同様のプログラムは他にもあるが、フィンテック企業を対象にしたプログラムであること、xenodata lab.の関洋二郎氏、クラウドリアルティの鬼頭武嗣氏、クレジットエンジンの内山誓一郎氏ら過去3回のグランプリ受賞企業の代表と以前から交流があったことの2つが、応募に向けて背中を押した。

藤田氏が事前にアドバイスされたことは、「かなりのリソースが必要」「片手間でやるべきではない」などだ。4カ月間という限られた時間を最大限に活用するためには、「参加すればMUFGとお近づきになれそうだし、片手間でやればいいか」という態度で臨むべきでないと藤田氏は強調した。

経営者にとってはフルコミットが求められるハードなプログラムである分、プログラム側が提供するサポートは手厚い。MUFG Digitalアクセラレータでは、プログラムに採択されると、初回のキックオフで、4カ月間をサポートする専属のメンターが決まる。メンター陣には、様々な領域の専門家が集められており、それぞれの会社のビジネス内容に即した最適なメンターが、プログラム期間中の活動をサポートする。しかもMUFG外の有識者を集めたプロメンターだけでなく、MUFGメンターもサポートに付く。

メンター決定までのプロセスは、事業内容のプレゼンピッチから始まる。続いて、各社がメンターのテーブルを回り、事業課題やその解決方法などについてのフィードバックを受ける。一連のやり取りを通じて、スタートアップ側は「誰にメンターになってもらいたいか」、メンター側は「誰をサポートしたいか」を第3希望までリストアップし、マッチングが成立すれば正式にメンターが決まる。ファンズの場合は、相思相愛の形で、株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー 最高執行責任者(COO)の今野穣氏と、アーキタイプ株式会社 代表取締役/マネジングパートナーの中嶋淳氏がプロメンターに決まった。

藤田氏が二人にプロメンターになってもらいたいと考えたのは、事業課題に関する指摘が的確であったことと、提示された解決策に具体性があったことの2点で感銘を受けたためだという。応募前から「この人にメンターをお願いしたい」と見込んで依頼する方法もあるが、お互いに話してみて初めてわかることも多い。キックオフは、これからの4カ月間をチームとして一緒にやっていくための相性を確かめる場になっているわけだ。

ディスカッションを通して見えてきた協業の形

プログラム期間中は、メンターと共に、MUFGのリソースを組み合わせると、どんなビジネスインパクトを生み出せるかを検証しながら、事業課題の解決に取り組む。その活動は、毎週のチームディスカッションが中心だという。主催者のMUFGではディスカッションのためのコワーキングスペースも用意しており、関係者が自由に使える特典を提供している。藤田氏は、「活動中に協業の可能性のある様々なグループ会社を紹介してもらいましたが、折々でメンターからアドバイスをもらい、仮説の軌道修正を繰り返してビジネスプランを練り上げました」と振り返った。

ファンズの場合、プロメンター2人が決まるまでは順風満帆だったが、MUFGメンターからのサポートを得ることには苦心したという。その理由を藤田氏は「僕たちのビジネスは既存金融機関のビジネスと距離が近いため、良い協業のスキームを探ることが難しかったのです」と分析している。最終的には、三菱UFJ銀行のデジタル企画部、auカブコム証券がMUFGメンターとして加わり、より一体感を増したチームでビジネスプランのブラッシュアップを進めていった。

協業スキームの検討で苦心したのは、MUFGの顧客である事業会社の支援方法を考えた時、「MUFG本体では難しいが、ファンズならできること」を見つけることであったという。事業を始めたばかりのスタートアップは成長資金を必要としているが、メガバンクではスタートアップへのスピーディーな資金提供は難しく、将来大きく成長する可能性のある企業とのつながりを持つチャンスを逃している。その両者のパイプ役をファンズが担うことができないかというディスカッションを繰り返し、MUFG傘下の企業との協業の可能性を検証していった。

その中で見えてきたのが、証券会社との協業である。証券会社が取り扱う金融商品は多岐にわたるが、価格変動の大きい株式や投資信託が中心で、債券の品揃えが比較的少ない。個人投資家と事業会社のニーズを深く理解しているファンズであれば、証券会社の商品充実というニーズを満たすことができるという確信が持てたという。それが4カ月のプログラムを通しての成果であると藤田氏は胸を張る。このビジョンの実現に道筋を付ける形になりそうなのが、期間中に決まった三菱UFJキャピタルの出資と、その後のauカブコム証券との資本提携である。

この他、「銀行の営業が、事業会社の財務部門とどんなコミュニケーションをとっているかを肌感覚で理解できたのも大きな収穫でした」と藤田氏は打ち明ける。個人投資家が魅力を感じる商品開発で、株主優待ならぬ「貸付優待」のアイデアを思いついたのも、プログラムでのディスカッションを通じてのことだ。貸付優待は、個人投資家が投資先の事業会社の理解を深めてもらうための特典を提供する仕組みだ。「シンプルに大企業に提案をしに行ってもおそらくは受け入れてもらえません。僕たちだからできる付加価値を提供することが必要で、『ファンづくり』というアイデアを思いつくことができたのも収穫でした」と藤田氏は語る。

「本気と本気は、響き合う。」を体現しているプログラム

プログラムの成果の最終報告会に相当するDEMO DAYでは、惜しくも準グランプリに終わる。「4カ月間、必ずグランプリを獲るつもりで真剣に取り組んできました。プロメンターもMUFGメンターも、僕たちが必要とするあらゆるサポートを提供してくれたので、この人たちの期待に応えられなかったという残念な気持ちがあります」と藤田氏は悔しさを滲ませる。これだけの熱量を持って取り組めるのは、他のアクセラレータプログラムにはないMUFG Digitalアクセラレータならではの良さであり、プログラムのキーメッセージである「本気と本気は、響き合う。」が体現されていると藤田氏は評した。

今後は、より多くの個人投資家や、事業会社に利用してもらえるプラットフォームにスケールさせることを目指す。今以上に幅広い業種の企業に、社債の代替手段としてサービスを活用してもらい、個人投資家が、分散投資でより安定的な資産形成の選択肢にできるよう、ビジネスを成長させていく計画だ。「向こう3年間で運用総額1,000億円」という目標の達成に向け、ファンズは取り組んでいく。

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