tr?id=1970953653177752&ev=PageView&noscript=1

「NEXTユニコーン調査」上位20社中7社がフィンテック系スタートアップ~フィンテック系全14社を紹介する

「NEXTユニコーン調査」上位20社中7社がフィンテック系スタートアップ~フィンテック系全14社を紹介する

4,825view

2020/03/05

日本経済新聞社では、毎年、ユニコーン(推計企業価値10億ドル以上のスタートアップ)への成長が期待されている企業を調査し「NEXTユニコーン調査」として発表しているが、2019年11月3日に発表した調査結果によると、上位3社がユニコーンとなった(2018年の前回調査では「プリファード・ネットワークス」1社のみ)。

0305_001.png
(画像出典:日本経済新聞社

ちなみに、分野別の推計価値ではAI分野が前年度比68.3%増でトップとなり、成長著しい新素材とIoTはそれぞれ前回調査より89.1%増と123.9%増となった。

0305_02.png

また、調査対象未上場スタートアップ企業の上位10社中にフィンテック分野が4社、上位20社では7社が名を連ね、調査対象181社中では14社が含まれる結果となった。

今回はこの結果を踏まえ、調査対象企業の中からフィンテック分野企業に関して推計企業価値、企業概要、ビジネスモデルを解説する。(推計企業価値の数値は「NEXTユニコーン調査」による)

freee株式会社

0305_04.png
(画像出典:freeeウェブサイト

順位:4位
業務内容:クラウド会計ソフト開発
推計企業価値:679億円
社員数:700名(前年度比235人増)
創業年:2012年

freeeは1兆円市場と言われる会計ソフト業界において従来のスタンドアロン型ソフトではなく、利用端末のOSを選ばないクラウド型ソフトで参入。一般に、会計ソフトは他のソフトへの移行には初期設定、操作習得などの移行コストが高いことから、一度採用されると企業が存続する限り利用される可能性が高いと言われる。

同社は、会計専任者が居ない従業員100名未満の個人事業主を含む中小企業をターゲットとし、安価で会計初心者でも利用可能なソフトを開発した。会計ソフトの仕様自体は他社と遜色がない程度だが、マーケティングにおいて、Amazonでの書籍販売との連携(1年間の無料使用ライセンス)、POSレジへのオープンソース公開により会計ソフトへの自動入力機能の構築、税理士事務所、クレジットカード会社との連携などを通じ、利用者を拡大した。

株式会社Origami

0305_05.png
(画像出典:オリガミウェブサイト

順位:6位
業務内容:モバイル決済サービス
推計企業価値:417億円
社員数:200名(前年度比80人増)
創業年:2012年

株式会社Origamiが開発した決済サービス(QRコード決済)は、電子マネーやクレジットカードと比べ店舗側の投資コストも少なく、ユーザー側もスマホアプリで簡単に利用可能なことを特徴として、LINE Payと並んでQRコード決済の草創期からサービス提供を開始した。

※2020年1月23日に株式会社メルカリ傘下の株式会社メルペイが株式会社Origamiを完全子会社化

ウェルスナビ株式会社

0305_06.png
(画像出典:ウェルスナビウェブサイト

順位:7位
業務内容:資産運用サービス
推計企業価値:390億円
社員数:85名(前年度比4人増)
創業年:2015年

ウェルスナビは、スマホやPCで6つの簡単な質問に答えるだけで個々人のリスク許容度を判定、リスク許容度に合ったポートフォリオを構築し、自動で運用していくサービスを提供している。中長期で安定した資産形成を行いたい働き世代をターゲットとし、すべてお任せで資産運用できることを強みとしている。今後の展開として「AIによる資産アドバイス機能の実装」を目指している。

株式会社Finatextホールディングス

0305_07.png
(画像出典:フィナテキストホールディングスウェブサイト

順位:10位
業務内容:投資関連アプリ開発
推計企業価値:342億円
社員数:169名(前年度比67人増)
創業年:2013年

投資初心者、個人投資家をターゲットとした株投資アプリ「あすかぶ!」、独自の株価分析と指標で熟練投資家もターゲットとした株投資アプリ「STOCKY」、投資信託選びをサポートするアプリ「Fundect (ファンデクト)」などによって、同社のビジョン「金融を&“サービス” として再発明する」を具現化。また、同社はビッグデータ解析事業としてグローバルの経済指標や企業活動データを金融機関や政府に提供、さらに証券サービスプラットフォーム事業として次世代証券サービスを提供している。

五常・アンド・カンパニー株式会社

0305_08.png
(画像出典:五常・アンド・カンパニーウェブサイト

順位:11位
業務内容:途上国の小口融資
推計企業価値:337億円
社員数:約2,300名(前年度比1,300人増)
創業年:2014年

民間版世界銀行として世界中に金融アクセスを届けることをミッションとし、2030年までに50カ国の1億人に廉価で高品質な金融サービスの提供を目指す。主にはマイクロファイナンス事業で現在アジア4カ国(カンボジア、スリランカ、ミャンマー、インド)で50万人以上の個人事業主(主に女性)に金融サービスを提供している。2014年7月の創業以来、30日以上遅滞率1%未満という貸付債権の質を維持し、過去4年間毎年3倍成長を続けている。同社の強みは「世界のどの途上国にでも金融事業を立ち上げられる」という点にある。

株式会社Paidy

0305_09.png
(画像出典:ペイディーウェブサイト

順位:16位
業務内容:後払い決済サービス
推計企業価値:307億円
社員数:115名(前年度比24人増)
創業年:2008年

ペイディーの後払い決済サービス“Paidy”は、ECサイトの決済方法の主流となっているクレジット決済の欠点を補う新しい決済方法として注目されている。クレジット決済はそもそも、収入がない若年層、高齢者層や外国人には発行されにくい。また、ECサイトでの決済時に事前登録事項が多すぎるという不便さもある。“Paidy”は本人確認をSMSあるいは自動音声案内による認証コードで行なうため、スムーズな決済が可能。そのため利用者からのユーザビリティ評価が高い。ただし、一方で不払いリスクという大きな課題がある。これに対応するために、膨大に蓄積されたデータベースから得られた過去の購買行動などをもとに、ユーザー個々人の利用限度額を判断するアルゴリズムを構築している。

株式会社お金のデザイン

0305_10.png
(画像出典:お金のデザインウェブサイト

順位:20位
業務内容:資産運用サービス
推計企業価値:270億円
社員数:56名(前年度比8人減)
創業年:2013年

お金のデザインでは、資産運用AI搭載ロボアドバイザーサービス(THEO)の提供を行う。2023年度には260万口座になると予測されているロボアドバイザー市場だが、先行している米国に比べるとまだまだ黎明期にある。THEOはその中にあって2019年10月末時点で預かり資産500億円、口座数10万口座を突破している。前述の「ウェルスナビ」同様に簡単な質問に答えるだけで顧客の運用目的を推定し、個々人に合わせた資産運用を行う。

マネーツリー株式会社

0305_11.png
(画像出典:マネーツリーウェブサイト

順位:64位
業務内容:家計簿アプリ
推計企業価値:99億円
社員数:86名
創業年:2012年

家計簿アプリとして有名なマネーツリーは、現在、新しいビジネスモデル「MT LINK」に力を注いでいる。MT LINKとは国内約2,700社の金融機関の取引明細データを自動で取得できるAPIサービスで、主にフィンテック分野のソフトウェア開発で利用される。例えば会計系のソフトウェアでMT LINKのAPIを連携すれば、銀行の入出金データが瞬時に会計データに反映される。現在、MT LINKは会計ソフトウェアを始め、メガバンク、地方銀行、不動産、資産運用などあらゆる分野、50社以上と連携している。

iYell株式会社

0305_12.png
(画像出典:iYellウェブサイト

順位:67位
業務内容:住宅ローン業務システムの開発
推計企業価値:93億円
社員数:135名(前年度比50人増)
創業年:2016年

iYellは、デジタル化が遅れ非効率となっている住宅ローン手続きに着目したマイホーム購入者、住宅事業者、金融機関の3者それぞれにメリットがある「住宅ローンをテクノロジーで変える」サービス。マイホーム購入者には住宅探しからローン借入、住宅購入までをサポート。住宅事業者には購入者に最適な住宅ローンの提案を自動化するとともに、煩雑な紙ベースの手続きをiYellに一括して依頼することでタイムロスやミスを低減している。金融機関にとっては、マイナス金利により収益性が悪化している住宅ローンの人件費削減、紙作業の低減による業務の効率化で寄与している。

株式会社インフキュリオン・グループ

0305_13.png
(画像出典:インフキュリオン・グループウェブサイト

順位:74位
業務内容:決済関連サービス
推計企業価値:89億円
社員数:102名
創業年:2006年

インフキュリオン・グループは「決済とテクノロジーで社会に利便性をもたらす」ために、決済や送金の分野に参入するフィンテック企業の企画、業務設計のコンサルティングサービスを行う。コンサルティング以外では、日本で初めて銀行の更新系API機能を実装した自動貯金アプリ「finbee」、QRコード決済に対応したウォレットASPシステム「ウォレットステーション」、ポイント・クーポン機能や銀行口座からの後払いサービス「SLiDE(スライド)」などを提供している。

株式会社Kyash

0305_14.png
(画像出典:Kyashウェブサイト

順位:76位
業務内容:個人間決済サービス開発
推計企業価値:85億円
社員数:50名(前年度比23人増)
創業年:2015年

個人ユーザー向けウォレットアプリ「Kyash」はスマホでVisaのプリペイドカードの発行が可能だ。チャージをするとVisa加盟のネットショップでの決済や個人間送金が可能となる「誰もが簡単に作れて、すぐに使えるVisaカード」として登場した。2018年6月からはリアルカードの提供を開始し、Visa加盟リアル店舗での利用も可能となった。2019年4月にローンチした企業向け決済プラットフォーム「Kyash Direct」では、同社がカードの発行主体となり自社ブランドのVisaカード発行を希望する企業のサポートが可能となった。「Kyash Direct」は、利用企業の低コストとスピーディなサービス開始、ファンディングソース(カードに引き当てる支払原資)の柔軟な指定(銀行預金、与信、売上金、自社のカードのポイントなど)が特徴としている。

クラウドクレジット株式会社

0305_15.png
(画像出典:クラウドクレジットウェブサイト

順位:85位
業務内容:海外特化の貸付型クラウドファンディング
推計企業価値:74億円
社員数:70名(前年度比15人増)
創業年:2013年

クラウドクレジットは、南米、ヨーロッパ、アフリカなどの新興国の小口債権を中心に海外特化のソーシャルレンディング事業を行う。海外特化という点において他のソーシャルレンディング事業者と大きく異なり、マイクロファイナンス系のファンドといった社会貢献的なファンドも提供している。また同社のサービスでは外貨建投資が可能となっており、国内事業者では唯一、円建て、ドル建て、ユーロ建て、ルーブル建ての運用が可能となっている。

AlpacaJapan株式会社

0305_16.png
(画像出典:AlpacaJapanウェブサイト

順位:110位
業務内容:AIなどを活用した金融サービス開発
推計企業価値:56億円
社員数:41名
創業年:2016年

AlpacaJapanでは、ディープラーニング技術を使い金融マーケットの予測を行う。サービスの提供先は主に機関投資家となっており、「Alpaca Forecast」と「Alpaca Radar」の2つのサービスがある。「Alpaca Forecast」は5~60分以内のマーケットを予測し、「Alpaca Radar」は最長3ヶ月間の様々なアセットを予測する。「Alpaca Forecast」では、1秒間に100回発生するプライスのビットとアスクのデータの分布や偏りを分析し、ディープラーニング技術で需給の情報を学習、パターン化し、マーケットを予測する。

ファンズ株式会社

(2020年1月23日に株式会社クラウドポートから社名変更)

0305_17.png
(画像出典:ファンズウェブサイト

順位:144位
業務内容:資産運用サービス
推計企業価値:37億円
社員数:18名
創業年:2016年

ファンズは、個人が1円から取引可能な貸付ファンドに投資できるマーケットプレイスを運営する。貸付ファンドに対しての高い知識や資金力がなくても、スマートフォンから簡単に貸付ファンドの取引ができる手軽さが人気を呼んでいる。利用者の中心は20代から40代の働き盛りの平均的な年収のサラリーマンで、仕事の合間を使った老後資金の準備やマイホーム資金などの資産運用をサポートする。

今回の調査では、推計企業価値200億円を超える企業がフィンテック系で7社と最も多かったことが特徴の一つであろう。2019年の消費税増税にともなう「キャッシュレス・消費者還元事業」がキャッシュレス決済利用を促進し、フィンテック企業にとって追い風となった。なお、4位にランクインしたfreee株式会社は昨年末(2019年12月)マザーズへの上場を果たした。

フィンテック系スタートアップは、従来、銀行が行っていた融資や決済、証券会社が行っていた投資分野にも果敢に進出している。また、これらのスタートアップに銀行や証券会社が出資するケースも目立ってきた。従来の金融機関では実現できなかったビジネス領域に挑戦する日本のフィンテック企業の動向に、引き続き、2020年も注目したい。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

INNOVATION HUBの最新情報をお届けします

プログラム

コラボレーションによるイノベーション創出の場

  • MUFG SPARK

スタートアップ・アクセラレータ

  • MUFG DEGITAL ACCELERATOR

月間記事ランキング

MUFG関連記事

Facebook公式ページ