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これまでの常識を覆す新しい融資サービス「Biz LENDING」~アクセラレータ受賞から提携、そしてリリースまでの道程で得たもの

これまでの常識を覆す新しい融資サービス「Biz LENDING」~アクセラレータ受賞から提携、そしてリリースまでの道程で得たもの

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2020/02/27

(クレジットエンジン株式会社 取締役 向山裕介氏)

2019年6月、三菱UFJ銀行は中小企業向けの新しい融資サービス「Biz LENDING」をリリースした。「Biz LENDING」は同行と「MUFG DIGITALアクセラレータ」でグランプリを受賞したクレジットエンジン株式会社(以下、クレジットエンジン)との協業によって実現したサービスだ。

大手銀行とスタートアップが協力し、新サービス「Biz LENDING」をリリースするまでにどのような道程があったのか、クレジットエンジンの共同ファウンダーで取締役でもある向山裕介氏にお話を伺った。

MUFG DIGITALアクセラレータでグランプリ受賞、そして提携へ

クレジットエンジンは、中小企業の非効率さを解決するために、クラウドデータを用いたオンライン完結の融資サービス「LENDY」を開発、運営してきたスタートアップだ。(現在はグループ会社であるLENDY株式会社が事業運営)

「LENDY」では、オンライン完結でのストレス無い融資体験と、オンラインバンキングやクラウド会計サービス、Eコマース、決済サービスなど、事業者の利用するクラウドサービスのデータと連携することで迅速かつ精度の高い審査を実現している。

その「LENDY」をリリースして約1年半後の2018年7月、同社は「MUFG DIGITALアクセラレータ」にて見事グランプリを受賞した。「LENDY」によって順調に成長していた同社が、アクセラレータに参加した理由は何だったのだろう。

向山裕介氏(以下、向山氏):
アクセラレータのプログラムに応募したのは金融機関と協業することで中小事業者の資金調達における課題解決を加速させたいという思いがあったからです。
「LENDY」によって自ら融資をする立場となり、中小事業者の資金調達の非効率さを解決出来始めた部分もあります。
ただ、広く普及させるためには、我々のサービス認知とともにオンラインレンディングというもの自体の認知も高める必要があり、自分たちだけでやるにはまだまだ時間がかかる。もっとオンラインレンディングの普及を加速させるためには、中小事業者の顧客基盤を持ち、彼らから高い信頼を得ている金融機関と協業してサービス提供をすることが、一つの道筋だと考えていました。
海外では先行して、レンディングを行うスタートアップと大手の金融機関が提携している事例が存在している、という背景もあります。

そこで、MUFGさんのアクセラレータプログラムに参加することが、そのきっかけになるのではないかと思い応募しました。おかげさまでグランプリを受賞させていただき、実際に協業するに至りました。

その結果、我々のプロダクトであるオンラインレンディングプラットフォーム『Credit Engine Platform』が格段に進化しました。それが、今回「Biz LENDING」に導入されています。これは、金融機関と中小事業者の双方に使い勝手の良いUI/UXを提供し、スピーディーな融資を実現します。

参考:第3期アクセラレータ参加企業連載 第3話: ~MUFG Digitalアクセラレータグランプリ受賞 クレジットエンジンのオンラインレンディングサービス~

モジュール化とカスタマイズで見えてきたプラットフォーム構想

ただ、スタートアップが大企業の要望に応えきるには、さまざまなハードルがあったのではないか。それをどのようにして乗り越えていったのだろう。

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向山氏:
金融機関のニーズを満たすオンラインレンディングサービスを実現するためには、実装すべき機能や融資のプロセス、商品性、セキュリティ対応、ユーザー体験などをひとつひとつ見直す必要がありました。

ただ、我々のプラットフォームをメガバンクでの実際のリリースまでもっていくには、想定していた以上の大変さがありました。

例えば『Credit Engine Platform』で元々想定されているシステム構成の中で、MUFGさんでは前例のない仕様になっていた部分があり、元の構成のまま進めようとするとMUFGさんの中での承認プロセスに時間がかかりすぎてしまうため、ソースコードレベルで手を加えた、といったこともありました。

また、MUFGさん独自の機能要求と、プラットフォームとしての汎用性をどのように両立するか、ということも大きな課題であり、それぞれの機能について、設計やユーザービリティを検証しながら、幅広い設定を可能にしつつ、独自実装が必要な部分は分離した構造にする、などの考え方により対応していきました。

カスタマイズについては、いわゆるアジャイル開発で、継続的に改善を繰り返しながらMUFGさん側の担当チームと一緒に作り上げていきました。とはいえ、我々が自社内でこれまでやってきたようなスタートアップ的な開発のやり方だけに固執せず、MUFGさんにおける基本的なチェックポイントやドキュメンテーションなどの水準はクリアできるよう、落とし所を見つけながら開発を進めました。

実際にリリースに至るまで苦労はありましたが、導入にあたっての課題をいずれも確実にクリアできたことは、我々にとって非常に貴重な経験となりました。

こうして、様々な課題をクリアし、『Credit Engine Platform』はレンディングプラットフォームとして、メガバンクへの導入が可能なレベルにまで完成度を上げた。
金融機関の様々なニーズを満たす点が最大の強みであり、まさにクレジットエンジンがオンラインレンディングの普及を加速させるために構想していたプロダクトだ。

そして、その『Credit Engine Platform』を導入してリリースされたのが、三菱UFJ銀行の「Biz LENDING」だ。

最短2営業日のオンライン融資「Biz LENDING」とは?

「Biz LENDING」は、三菱UFJ銀行の口座を持ち、かつ既存の融資取引がない事業者であれば、誰でも簡単に利用できる画期的な金融サービスだ。

決算書などの書類提出もなく、事業者情報登録と本人確認書類などのアップロード、必要金額と返済方法を選択するだけで24時間いつでもオンラインで融資申し込みができる。しかも、最短で2営業日以内に入金される。また、2020年1月からは、それまで提出が必要であった謄本の提出が不要となるなど、お客さまのニーズに寄り添った更なる利便性の向上が図られている。

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(画像出典:Biz LENDINGウェブサイト

借入金額は50万円以上、最大300万円(2020年1月末時点。今後、1,000万円まで拡大予定)。借入期間は元金均等返済の場合は6ヶ月以内、期日一括返済の場合は3ヶ月以内で、担保・保証も不要、登録手数料もかからない。こうした中小企業の事業者に寄り添ったサービス内容が評価を得て、運転資金、納税資金、設備資金あるいは賞与資金など、幅広い用途で利用されている。

今回、「銀行での融資=実行まで時間と手間がかかる」という常識を打ち破ることができた最大の要因は、クレジットエンジンのオンライン融資サービス「LENDY」にて蓄積された、最短翌営業日に借入を実行するためのノウハウを、MUFGの持つ情報や知見とうまく融合させ、独自のサービスに昇華することができたことだ。
これによって、従来必要とされていた決算書や業績計画書等の提出をすることなく、最短2営業日以内というスピーディーな融資実行が非対面で可能となった。

同行では当初、仕入れや運転資金といった先払いが発生するような業種の利用者を想定していた。しかし、蓋を開けてみるとサービス業、建設業、不動産業、小売業、あるいはEコマースなど、広範囲な事業者に利用されているのが現状であり、今後、ますます拡大することが予想されている。

MUFGの柔軟性とアクセラレータが実現するもの

今回の三菱UFJ銀行とクレジットエンジンの協業において注目すべき点は、大企業に不足しているものとスタートアップが解決できることを双方が正しく認識できていた事だ。

三菱UFJ銀行は、独自のデータを持っていたものの、それを活用して、決算書提出不要で、かつスピーディーに融資実行するというアイデアをどう実現したらいいのか分からなかった。
アクセラレータでクレジットエンジンのデモを見た際、「これは我々には絶対作れない」と感じたと言う。スタートアップが繰り返し検証して開発したプロダクトを採用し、協業関係に入ったのはごく自然な選択だった。

そして、両社が提携関係に入ってから、最終的に「Biz LENDING」として結実するまでに、1年とかかっていないことにも注目しておきたい。
同行は、「我々が何か新しいサービスを一から企画して世に出そうとしても、こんなスケジュールではとても出来なかったでしょう。そうしたスピード感を持てたのもクレジットエンジンさんのおかげです」と振り返っている。

こうして三菱UFJ銀行は、自社に不足していたもの、つまりユーザーフレンドリーなUI/UXと新しいビジネスを起ち上げるスピードを手に入れた。そして、クレジットエンジンもまた、『Credit Engine Platform』を更に磨き上げ、全国の金融機関にアピールする道を開いた。

大企業とスタートアップが協力してビジネスを開発し成長させるためには、さまざまな課題に挑戦しなくてはならない。目標と課題を共有し、試行錯誤を繰り返し、両社のリソースをかけ合わせてこそ成功に近づく。アクセラレータはその入り口であり、舞台だ。

そしてそこから、また、さまざまなスタートアップが現れてくるだろう。彼らが社会にイノベーションを起こし、新しい価値を生むことに期待したい。

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