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【全22社一挙掲載】2019年にIPOを果たした海外ユニコーン企業の顔ぶれ(前編)

【全22社一挙掲載】2019年にIPOを果たした海外ユニコーン企業の顔ぶれ(前編)

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2019/11/01

2019年はテクノロジー系ユニコーンが続々とIPO(株式公開)を果たしており、一部には次のアマゾンが生まれるのではないかという期待も増している。

その中でも、ライドシェアのLyftとUber、SlackやZoom、Pinterestなどのウェブサービスで高い評価額がついたが、ヘルスケアやペットフード、あるいはフェイクミートの業界からもユニークな企業が名乗りを上げた。今回は、2019年9月22日時点でIPOを果たしたユニコーン企業22社を株式公開順に、前後編に分けて紹介する。

※【全22社一挙掲載】2019年にIPOを果たした海外ユニコーン企業の顔ぶれ(後編)はこちら。

1.Lyft(アメリカ)

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(画像出典:Lyft ウェブサイト

IPO日付:2019年3月29日
IPO価格:一株当たり72ドル(約7,774円)
IPO評価額:240億ドル(約2兆5,913億円)

業態 : ライドシェア配車サービス
創業 : 2007年

2007年の創業時は大学や企業向けのライドサービスだったが、2012年から一般利用者用にLyftを起ち上げた。クルマ以外にスクーターや自転車もシェア、昨年からは自動運転車にも取り組んでいる。現在、アメリカの48州とカナダのオンタリオ州でのみ営業。この点はマーケットを世界へ向けて拡張し、フードデリバリー他多彩なサービスメニューを提供する同業のUberと異なる。

LyftのS-1(有価証券報告書資料)によると、2018年12月期のアプリ利用者数は1,860万人、総乗車回数は1億7,840万回。また、乗車一回あたりの平均売上高は約36ドル(約3,880円)。いずれも、期を追うごとに増加している。

なお、IPO後に株価は下落し、その後のUberのIPOに大きな影響を及ぼしたと観測する向きもある。また、シェアリングエコノミーの代表のように言われる両社だが、ドライバーの待遇改善を巡り、今年(2019年)5月のUberのIPO直前にはLyftとUber両社のドライバーがストライキを決行するなど課題は残っている。

2.PagerDuty(アメリカ)

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(画像出典:PagerDuty ウェブサイト

IPO日付:2019年4月12日
IPO価格:1株当たり24ドル(約2,590円)
IPO評価:18億ドル(約1,994億円)

業態:デジタル運用管理プラットフォーム
創業 : 2009年

PagerDutyは、システム上で発生したあらゆる障害情報をまとめて一元管理するサービス。Amazon CloudWatchやDatadog、Zabbixなど多くの監視ツールと連携が可能で、サーバからアプリケーションまで様々なインシデント(障害)の発生を、確実かつ迅速に担当者に通知する。メール、自動音声による電話、SMS、スマートフォンへのプッシュ通知など通知方法も豊富。また、決められたルールに基づいてシフトを回す担当者(サービス)ごとのスケジュール設定が可能となっている。

PagerDutyは全世界で100を超えるプラットフォームパートナーと事業を展開しており、トレンドマイクロ、Netflix、オラクル、GE、Paypal、eBayなど大手企業をはじめ、スタートアップ企業にもクライアントが多い。

3.Zoom(アメリカ)

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(画像出典:Zoomウェブサイト

IPO日付:2019年4月18日
IPO価格:36ドル(約3,880円)
IPO評価:92億ドル(約9,936億円)

業態 : ビデオ会議サービス
創業 : 2011年

Zoomは、高品質なビデオ会議ソリューションを提供している。アメリカのインフォメーションテクノロジー・アドバイザリー会社であるガートナーはZoomを高く評価、2019年のレポートで会議ソリューション部門の「リーダー」に位置付けている。

とりわけ、その簡単な操作性、安定した接続、多機能性などで、先行同業社とは異なる特徴を持つ。例えば、Skypeのような従来のビデオ会議サービスは、あらかじめIDを取得する必要があったが、Zoomの場合は、ミーティング用のURLを相手に伝えるだけだ。

また、40分までの利用であれば、無料アカウントでも最大100人まで接続可能で、スクリーンの共有や録画機能も実装されている。録画した動画ファイルは、ホスト側でも参加者側でもダウンロードできる。また、Zoomのストレージにも保存が可能。

他に、あらゆるサイズの会議室に対応したソフトウェアベースのビデオ会議室システムや、最大10,000人まで参加できるビデオウェビナーなど、さまざまプランが用意されている。また、遠隔医療や教育機関向けのサービスも始まっており、今後、金融機関や政府関連にも進出する可能性が高い。

Zoomの2019年1月期における売上高は3億3,100万ドル(約357億円)、純利益は760万ドル(約8億2,000万円)。また、同社は、2019年7月に日本法人「ZVC JAPAN」を設立している。

4.Pinterest(アメリカ)

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(画像出典:Pinterestウェブサイト

IPO日付:2019年4月18日
IPO価格:1株当たり19ドル(約2,050円)
IPO評価:100億ドル(約1兆800億円)

業態 : 画像検索・ブックマークサービス
創業 : 2008年

Pinterestは、ネット上にある画像や動画を収集し自分のコルクボードにブックマーク(「ピン」という)できるサービス。他のユーザーの保存した画像にいいねができる。よく似たサービスにInstagramがあるが、Instagramと異なり、Pinterestには他のユーザーの投稿をシェアする「リピン」機能がある。外部リンクも設定可能で、ボードはテーマ別に作成できる。また、選択した画像とよく似た画像を自動的に収集する機能もある。

Instagramが過去の記録だとすると、Pinterestは将来のためにブックマークしておいて、後々、再利用する感覚で利用するサービスだと言われる。その意味ではSNSらしい印象は薄い。一方で、ネットを使ってビジネスを展開する事業者、例えばHISやサンリオ、トヨタ、資生堂、GAP、ローソンなど、錚々たる企業がアカウントを取得しボードを作成している。

2019年8月時点で月間アクティブユーザー数は3億人を超えた。ユーザーの80%は女性で、35~54歳のユーザーが約半数を占める。

5.Yunji(中国)

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(画像出典:Yunjiウェブサイト

IPO日付:2019年5月3日
IPO価格:1株当たり11ドル
IPO評価:24億ドル(約2,570億円)

業態 : ロボティクス
創業 : 2014年

中国北京の雲迹科技有限公司(YUNJI TECHNOLOGY)は、室内測位ナビゲーション、ロボットスマートモバイル、ビッグデータアプリ等を開発するロボティクス企業。ホテル用の自動走行型案内ロボット、食品配送ロボット、ロボットシャーシなどの商用サービスロボットの開発を専門とする。

日本ではNECネッツエスアイが国内独占販売権を取得、今年2019年7月から販売を開始した。

6.Beyond Meat(アメリカ)

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(画像出典:Beyond Meatウェブサイト

IPO日付:2019年5月2日
IPO価格:1株当たり25ドル(約2,700円)
IPO評価:15億ドル(約1,620億円)

業態 : 動物性タンパク質を使わない肉製品
創業 : 2009年

Beyond Meat は、植物由来の人工肉、いわゆるフェイクミートを製造、販売する食品テクノロジー企業。欧米にはビーガンやベジタリアンが多いが、同社のウェブサイトによると、地球上の温室排出ガスの51%が家畜の飼育等によって放出されており、毎年660億頭の動物が食用のために屠畜される。

同社のミッションは、フェイクミートの普及を促すことを通じて、家畜の生産に起因する4つの課題(人間の健康、気候変動、天然資源の制約、動物福祉)を解決するソリューションを提供すること、としている。

同社のフェイクミートは、米ホールフーズ・マーケットでは、精肉コーナーで販売されている。また2019年8月には、アトランタのケンタッキー・フライドチキンの店舗でBeyond Meatの植物性ナゲットと骨なし手羽先揚げをチキンの注文客に無料配布しリサーチを行うなど、消費者へのフェイクミートの浸透にも取り組んでいる。

なお、同社にはビル・ゲイツ氏も出資していると伝えられているが、同じくフェイクミートを製造するImpossible Foods社にはマイクロソフト社が出資しており、Impossible Foodsもすでにユニコーン入りしている。

7.Uber(アメリカ)

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(画像出典:Uberウェブサイト

IPO日付:2019年5月10日
IPO価格:一株当たり45ドル(約4,800円)
IPO評価:824億ドル(約8兆8,770億円)

業態 : ライドシェア配車サービス
創業 : 2009年

Uberの新規上場は、アメリカのハイテク企業としては2012年のFacebook以来最大規模だったが、取引初日の終値は41.57ドルと、IPO価格の45ドルに比べて7.6%安となった。この終値に基づく時価総額は約765億ドル(約8兆2,300億円)で、実行済みのストックオプションなどを勘案すると824億ドル(約8兆8,770億円)となった。なお、そのわずか1ヶ月前には1,200億ドル(約12兆9,000億円)という評価だった。

Uberは四半期ごとに約10億ドル(約1,075億円)の赤字を計上しており、2018年の売上高は前年比42%増の113億ドル(約1兆2,100億円)だったものの、収益性を示す指標であるEBITDA(税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益)では、主に開発費用の増加から18億ドル(約1,930億円)の損失を計上、さらに2019年4~6月期の連結決算では過去最高の52億4,000万ドル(約5,630億円)の赤字を計上した。

Uberは配車サービス以外にフードデリバリーや空中輸送、自動運転車などにその事業領域を広げる戦略を取っており、とりわけ自動運転車の開発に期待がかかっている。

事実、この部門を分離して設立する新会社にトヨタとデンソー、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが総額10億ドル(約1,075億円)を出資することがすでに伝えられている。トヨタとUberは自動運転車サービスのプロジェクトを進めており、また、ソフトバンクとトヨタが自動運転車によるサービスを日本で展開する準備を進めているなど、自動運転車によるビジネスの拡大に焦点が当っている。

今後、自動運転車による配車サービスが可能になった場合、現在、同社の収益を圧迫している売上原価、特に人件費の低減による収益性のアップが図れるかが注目されている。

8.Fastly(アメリカ)

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(画像出典:Fastlyウェブサイト

IPO日付:2019年5月16日
IPO価格:1株当たり16ドル(約1,720円)
IPO評価:15億ドル(約1,616億円)

業態 : CDN(コンテンツ配信ネットワーク)、エッジコンピューティング・テクノロジー
創業 : 2011年

Fastlyは、ネットワークの利用者がクラウドサービスにアクセスせずに、インターネットにつながるデバイスでデータを処理したり、あるいは利用者に近いエリアに配置したサーバで処理する、いわゆるエッジコンピューティングのサービスと技術を提供している。同社は、毎日4,000億件のアクセスに対応し、月間3,600億枚の画像を送信している。

エッジコンピューティングは、遠隔地にあるデータセンターと交信しないことで負荷を分散し、トラフィックの最適化を図れる上、通信のタイムラグを短くすることができ、通信量削減によるコスト低減も実現できる。また、エッジ側でデータ処理ができる場合、クラウドサービスにデータを送信する必要がないためセキュリティ上の危険も回避できる。さらに、データ処理をエッジ側でするため、クラウドサービスに何らかの障害が発生した場合でもその影響を受けにくい。

米ガートナーのDave Cappuccio氏が「The Data Center is Dead」と題して公開した記事によると、同社は2025年までに80%の企業が従来型のデータセンターを閉鎖すると予測しており、クラウドに代わってエッジコンピューティングがクローズアップされてきている。

同社は膨大なアクセスに対応する企業をサポートしている。例えば、Buzzfeedやビジネス・インサイダー、ニューヨークタイムズなどの新聞社やニュースメディア、ShopifyやBoots、DeliverooなどのEコマース、SlackやGithubなどのSaaS、Lonely PlanetやKAYAKなどの旅行業、Stripeなどの金融・決済サービスなど、多彩なクライアントが名を連ねる。

ただし、この業界は競合が多い。同社のIPO申請時の目論見書では、大手企業の他にCloudflare、InStart、 StackPath、Section.ioなどの中小企業向けの同業社の名を挙げている。このうち、Cloudflareは2019年9月にIPOを実現した。

9.Luckin Coffee(中国)

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(画像出典:Luckin Coffeeウェブサイト

IPO日付:2019年5月16日
IPO価格:1株当たり17ドル(約1,830円)
IPO評価:50億ドル(約5,380億円)

業態 : コーヒーチェーン
創業 : 2017年

Luckin Coffeeは、中国廈門(アモイ)市に本拠を置くコーヒーチェーンでスターバックスの好敵手と目されている。2017年6月の創業以来、シンガポール政府投資公社(GIC)や米資産運用会社ブラックロック、中国国際金融などから出資を受け急速に拡大した。

当初、スマホアプリからの注文によるデリバリーを主力としていたが、2018年以降、店頭でのピックアップ専用店舗が急増、2019年第2四半期の決算資料によると2,963店舗を展開中であり、その92.5%をピックアップ店舗が占めるようになっている。

第2四半期にオープンした店舗は593店舗で、実に月間200店舗近くの開業スピード。ちなみにスターバックスは、過去20年間、中国で営業しており、現在、150都市で計3,600店舗を展開している。

ただし、この急速な拡大にはコスト増も伴っている。2019年第1四半期において、売上高7,100万ドル(約84億円)に対して、8,500万ドル(約91億円)の損失を計上している。

中国は若い世代にコーヒー文化が浸透してきたこともあり、競合も多い。デリバリーサービスをメインとする上海のCoffee Boxもそのひとつだが、同社は2019年4月に、シリーズB3ラウンドで2億600万元(約31億円)を調達している。

10.CrowdStrike Holdings(アメリカ)

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(画像出典:CrowdStrikeウェブサイト

IPO日付:2019年6月12日
IPO価格:一株当たり34ドル(約3,660円)
IPO評価:66億ドル(約7,110億円)

業態 : サイバー・セキュリティ
創業 : 2011年

CrowdStrikeは、エンドポイントのセキュリティ対策であるEDR(Endpoint Detection and Response = エンドポイントでの検知と対応)のソリューションを提供している。

年々、進化するサイバー攻撃に対処するには、過去のウィルス情報に依存する従来のアンチウィルス対策ではもはや限界があり、今やエンドポイントにおいて未知の脅威の検知や初期対応、調査などをEDRが実行している。また、マルウェア感染があり得ることを前提としており、EDRはマルウェア感染後の対応を迅速に行うソリューションでもある。

同社サービスでは、人工知能(AI)を活用してリアルタイムの保護と可視性を実現している。

EDR以外に、セキュリティ侵害の試みを特定、阻止し、検知された脅威をアラートするサービスや、アプリケーションやオペレーティングシステムの脆弱性の診断、また、インシデント(障害発生)調査の自動化など、豊富なソリューションを用意している。

ユーザー企業はプラットフォーム上に配置されたこれらのサービスを必要に応じて自由に選択できる。これにより、これまで複数のセキュリティソフト、データベース、管理システムを導入し、複雑かつ高コストだったセキュリティ対策がシンプル、低コストで行えるようになった。

フォーチュン100企業のうち44社が採用し、ゴールドマン・サックス、クレディ・スイス、ソニー、SEGAなどもクライアントであり、7月にはクックパッドも導入を発表した。

CrowdStrikeでは、世界各地における1週間あたり2兆件以上のエンドポイント関連イベントを即座に分析し、そのデータに基づいてネットワークに接続されている時のみならず、オフラインの時もクライアントを攻撃から守っている。

なお、ガートナーは、2019年8月、『エンドポイント保護プラットフォーム(EPP)分野のマジック・クアドラント』においてCrowdStrike をリーダーに選出した。

11.Chewy(アメリカ)

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(画像出典:Chewyウェブサイト

IPO日付:2019年6月14日
IPO価格:1株当たり22ドル(約2,370円)
IPO評価:88億ドル(約9,480億円)

業態 : ペットフード
創業 : 2011年

フロリダに本拠を置くChewyの2019年第2四半期の売上高は11.5億ドル(約1,230億円)に達した。アクティブユーザーは39%増加して1,200万人となり、1人あたりの純売上高は10%増の352ドル(約37,000円)だった。また、同社のAutoshipサブスクリプションプログラムを介しての売上高は、49%近く急増して7億8,000万ドル(約840億円)となり、売上高の69%を占めた。

アメリカのペット用品市場は、ペットフード、ペット用品、市販薬、獣医ケアの需要が増し、2018年には750億ドル(約8兆円)を超えた。そのうち、オンライン販売の構成比は2017年の14%から2022年までに25%まで上昇すると、Chewyは予測している。

高まる需要に応えるべく、同社は2017年以来、プライベートブランドの商品を投入、同社の株式の過半数を持つ米国最大のペットフードチェーンであるPetSmartの店舗800店以上で販売を開始した。なお、同社は80%の注文に対してその日のうち、ほぼすべての注文に対して2日以内に出荷している。

ただし、同社はいまだ赤字で利益を上げていない。アメリカ全土の7ヶ所にある拠点で約1万人の従業員が24時間年中無休で働いており、マーケティング、広告、その他の営業費用は第2四半期に55%増加し、売上の増加を上回った。

(※為替レート:2019年9月22日現在)

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