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MaaSが主戦場 業界を横断した各社の取り組みに迫る

MaaSが主戦場 業界を横断した各社の取り組みに迫る

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2019/07/18

近年、自動車メーカー、IT企業、鉄道会社など、さまざまな企業によるMaaS(Mobility as a Service)領域への参入が加速している。各企業は、新たな事業を打ち出すと同時に他社と提携関係を結ぶなど「出発地から目的地までのシームレスかつストレスフリーな移動」というコンセプトの実現に取り組んでいる。「2025年までに市場規模が3,583億ドル(約38兆円)を上回る」と予想されているMaaS市場は、今後どのように発展していくのだろうか。(2019年6月24日現在)

今注目されるMaaSとは?

「サービスとしてのモビリティ」という意味をもつMaaSとは、具体的にどのようなものなのだろうか。 MaaSは、一般的に「さまざまな種類の輸送サービスが、需要に応じて利用できる単一のサービスに統合されたもの」と定義付けられている。

例えば、ロンドンからアムステルダムに3泊4日で旅行する計画を立てたとしよう。現在は、各交通機関や宿泊施設に消費者がアクセスし、個別に飛行機や電車、ホテルなどの予約を行う必要がある。そこで、各移動サービスに一元的にアクセスできるプラットフォームを作り、移動経路探索から予約・決済までを完結させることができれば、消費者側の手間が大幅に短縮され、「移動」のストレスが軽減されるはずだ。

より便利で快適な移動システムといわれるMaaSの構築は、技術的に実現しつつある。MaaSパッケージの提供事業者となる「MaaSオペレータ」は、消費者のさまざまな要求に応えるために、公共交通機関や乗車、自動車、カーシェアリング、タクシー、レンタカーなどを単体、または組み合わせて提供している。

同時に、宿泊施設や娯楽施設など移動に付随するサービスプロバイダーと提携を結び、総合的なモビリティネットワークへの発展を目指しているのだ。マーケットリサーチ企業The Insight Partnersの調査によると、「消費者の生活に付加価値を生みだす新たなビジネスモデル」としてMaaSが注目されている背景から、MaaS市場は2017年には387億ドル(約4兆円)に達した。同社は、さらに2025年までに3,583億ドル(約38兆円)を超える市場規模に成長すると予想している。(2019年6月24日現在)

MaaSに参入する各社動向

MaaSに注目しているのは、自動車メーカーだけではない。例えば、Googleの親会社Alphabetのスピンオフ企業であるWaymo(ウェイモ)では、自動運転車の商業化を進めている。また、企業用カーシェアリング・サービス「AlphaCity」やレンタルサービス「AlphaRent」といった、モビリティ・ソリューションも展開している。

更に、予約情報や旅行プランをカスタマイズ、管理できる旅行プランナーアプリ「Google Trips」を提供している。日本においては、JR東日本が2027年の実用化を目途に、「モビリティ・リンケージ・プラットフォーム」の構築を進めている最中だ。公共交通機関だけではなくカーシェアリングやレンタサイクルなど、さまざまな移動手段を目的地に合わせて最も効率的に組み合わせ、プランや予約、決済などを一括して行うことができるエコシステムの実現を目指している。

2013年および2015年10月から2016年2月にかけて行われたMaaSの実証実験では、247人の参加者のうち72.8%がアプリの有効性を認めるなど、実用化に向けた進展が報告されている。

パートナーシップも加速

次世代型モビリティサービス分野における可能性をより広範囲に模索する意図で、他社との共同プロジェクトを発足させる企業も目立つ。トヨタと西日本鉄道は2018年11月1日から2019年8月31日にかけて、モビリティアプリ「my route」の実証実験を福岡市で実施中だ。エリア内の移動手段・ルートの検索や予約・決済サービスのほか、ローカルグルメやイベント情報を盛り込むなど、移動をより楽しいものへと変えるための工夫も満載だ。

一方、モビリティサービスを提供する日本ユニシスと、自動運転バスやロボット観光ガイドなどの研究に熱心な京阪バスが2018年12月に立ち上げた共同プロジェクトも興味深い。このプロジェクトでは、次世代型モビリティのビジネスエコシステムの構築という目的だけではなく、過疎化や少子化にともなう高齢化地域の移動手段の確保や、バス業界の慢性的な人手不足解消にも焦点をあてている。2019年3月には、滋賀県大津市で自動運転シャトルバスの実証実験を実施した。

MaaS領域で戦うために何が必要か

各企業が保有するモビリティ(移動)分野の絶対量は限られているため、「一つのプラットフォーム上に、どれだけ多くの情報とモビリティを載せられるか」という点が、スムーズな移動の実現のカギをにぎっている。多様性あふれるモビリティ・エコシステムを構築するうえで、提携企業の選択は非常に重要だといえるだろう。

前述したトヨタと西日本鉄道の連携のように、一つのプラットフォームで自動車、鉄道、自転車などさまざまなモビリティのオプションを提供することで、幅広いユーザー層に適した移動環境を提供できる。また、Alphabetのように事業が多角化している企業では、将来的に、複数の事業を組み合わせることによって独自のモビリティ・エコシステムを築き上げる可能性もある。

各地域に合わせてモビリティの需要に応えると同時に、サービスにどのような付加価値を持たせることができるか。今後、激化が予想されるMaaS領域でビジネスを展開する上で、極めて重要な課題となるだろう。

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