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Bankeraはいかにしてブロックチェーン銀行の雄となり得るのか

Bankeraはいかにしてブロックチェーン銀行の雄となり得るのか

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2019/03/01

2018年10月、フィンテックに特化したベンチャーキャピタルのH2 Venturesと大手会計監査組織のKPMGが「FINTECH 100」を公開した。「FINTECH 100」に選ばれるのは、H2 VenturesとKPMGが選出した注目のフィンテック企業のみ。選出された100社は、Top企業50社と新興勢力50社に分けられていたが、その新興勢力50社の中で4位に選ばれたのが、Bankeraだ。

最先端を行くフィンテック系スタートアップ、ランキング上位10社の調達額とその強みを読み解く

銀行業にブロックチェーンを――フィンテックの世界では、この考え方が当然のものになりつつある。世界中の大手銀行は既にブロックチェーンを利用した決済システムや送金システムの開発に着手しており、同時に、ブロックチェーンベースの銀行業を立ち上げるスタートアップも続々登場している。そのような中で、Bankeraは「FINTECH 100」の新興勢力50社中第4位に選ばれた。2017年6月に始動したBankeraは、この短期間で新興フィンテックを代表する企業にまで成長を遂げたのだ。

Bankeraはどのようにして、始動から一年で「FINTECH 100」に選出されるに至ったのだろうか。本稿では、その事業内容、将来性や資金調達を達成した背景などをご紹介する。

Bankeraの特徴とは?

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出典:Bankera Facebookページ

Bankeraが目指すもの

Bankeraは、2017年6月に始動したブロックチェーンプロジェクトだ。Bankeraが提供を目指す事業は、仮想通貨を利用した送金、預金、決済はもちろんのこと、資産運用やローン事業なども含まれる。「銀行がブロックチェーンを使う」のではなく、最初から「ブロックチェーンベースの銀行」を目指そうというプロジェクトだ。

全ての銀行機能にブロックチェーンを利用

Bankeraの最大の目標にして最大の特徴は、ブロックチェーンを利用してあらゆる銀行の機能を効率化、活性化しようというコンセプトだ。理論上改ざんが不可能なブロックチェーン技術を利用することで、不正利用のチェック機能や管理にかかるコストを削減することができる。資金が動く度に発生していた手数料の多くが不要となり、トランザクションに要していた時間も短縮されることになる。決済や預金、投資やローンといった銀行に関わる業務がより確実で安価、迅速なものに生まれ変わるのだ。

Bankeraが提唱する“コスト削減”の中身

では、具体的にどのような方法で、ブロックチェーンの導入によるコストの削減が実現されるのだろうか。Bankeraが繰り返し強調するのは、ブロックチェーンを金融業に導入することで「カウンターパーティが不要になる」という点だ。

そもそもブロックチェーンのデータはP2Pで管理される為、中央に管理者を置く必要がない。パブリックなブロックチェーンで記録されるデータはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)という仕組みで構成されることが多い。ブロックチェーンに新たな取引データを追加する際には、マイナーと呼ばれるブロックチェーンネットワークの参加者が計算を解き、取引データを追加していく。ナンスという数値を見つけ出すための計算処理を行うのだ。最も早く正しいナンスを見付け出したマイナーには、ブロックチェーンに新たなデータを書き加える権利が付与される。そして、このナンスの値は、別の参加者によって本当に正しいものかどうかの検証が行われる。PoWでは、敢えて計算処理という手間のかかる手順を踏ませることで、改ざんを阻止している。

一つのデータを改ざんすれば、それ以降のデータのハッシュ値とナンスが変わってしまうため、取引データの改ざんを行うには、改ざんしたいデータまで遡ってそれ以降の全てのナンスを計算し直す必要がある。例えば、1-40番のデータが存在しており、30番目のデータを改ざんしたい場合には、30-40番のデータのナンスを計算し直さなくてはならない。その上、他の参加者達が新たに追加される41番目の取引データの計算処理を行っている場合、それを上回るスピードで改ざんのための計算処理を行う必要がある。これにはコストがかかり過ぎることから、事実上起こり得ないこととされている。

そして、改ざんが不可能なデータが登場したことにより、「不正は起きない」という信頼が確立されることになった。これまで当事者同士の間に入り、安全性や不正利用のチェック機能を担っていたカウンターパーティの存在が不要となり、そこで発生していた手数料のコストを省くことができるようになるのだ。

Bankeraが提示する数字とは?

これまでの金融業において、業務の中心に据えられていた“情報の仲介”がブロックチェーンによって代替される。もちろん、Bankeraも利益をあげるために顧客から手数料を得るが、これまでのように仲介業者が間に入らない分、手数料は顧客にとって割安のものとなる。Bankeraとしては十分に利益を確保しながら、顧客にとってもより良い選択肢となる。それが、Bankeraがブロックチェーン技術を利用して実現しようとしている事業体なのだ。

Bankeraは2017年11月のICO前に公開したホワイトペーパーの中で、以下のような具体的な数字を挙げている。

リテール業務手数料=0.01ユーロ(約1.25円)
法人顧客向け手数料=0.25%(5年後に0.1%まで引き下げ)
カード1枚あたりの月平均売上交換手数料=0.5ユーロ(約62円)
ローン事業の平均利幅=0.5%(5年以内に0.1%まで引き下げ)
投資商品の平均手数料=0.25%(8年以内に0.1%まで引き下げ)
初年度の収益見込み=1,100万ユーロ(約13億7,460万円)
*為替レートは2019/1/29現在のもの

Bankeraは上記の試算に加えて、2017年からの10年以内に5億ユーロ(約624億9,000万円)の収益をあげるという目標を同ホワイトペーパー内で掲げ、2018年2月末に完了したICO(イニシャル・コイン・オファリング。事業を立ち上げる資金の調達を仮想通貨を通じて行う仕組みのこと)で約163億円の調達を実現した。

50人以上からなるブロックチェーンチーム

上記以外にも、共通の通貨(BNK)を利用するため、海外への送金時に為替手数料が不要となる点も、ブロックチェーン技術がもたらす恩恵だ。これらの目標を達成するため、BankeraではICO前の時点で、既に50人以上からなるブロックチェーンのエキスパートチームを結成している。新たな技術とそれによって生み出される社会を先取りした明確なビジョン、そして、それを実現する為のチームを兼ね備えているのだ。

Bankeraの一歩先を行くその特徴とは?

とはいえ、どんなに素晴らしい構想であったとしても、Bankeraにこれらのシステムを達成できるという信頼がなければ、ただの絵に描いた餅だ。「FINTECH 100」の4位に選出されることはないだろう。次に、Bankeraがこの計画を軌道に乗せることができた3つの要因を見ていこう。

①壮大な野望の裏に、綿密な計画

立ち上げに4年!満を持して登場したBankera

Bankeraに注目すべき理由は、その綿密な計画性だ。共同創業者のVytautas Karalevičius氏は、2013年2月に仮想通貨取引所SpectroCoinを立ち上げ、ヨーロッパを拠点に取引所としての地位を確立した。そして2017年6月、満を持して「ブロックチェーンベースの銀行」を標榜するBankeraプロジェクトを始動させた。Bankeraには、4年に渡って蓄積されたSpectroCoinでの実績とノウハウが結集している。

ライセンスやノウハウを次々と手中に

2018年1月には、バヌアツ共和国のプライベートバンクであるPacific Private Bankを買収し、史上初の「銀行ライセンスを取得したICOプロジェクト」として注目を集めた。

Bankera Acquires Pacific Private Bank Ltd, Well on the Way to Deliver Blockchain Era Banking

Bankeraはここで投資や資産運用といった銀行業のノウハウを手に入れたことになる。 2018年2月にはICOを完了、約163億円を調達し、約10万人がBankeraのトークンであるBNKのホルダーとなった。

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出典:Bankera Facebookページ

同年6月には、EUでの電子マネーライセンスを持つPerveskとのパートナーシップ締結を発表し、世間を驚かせた。こうして、次々と金融に関わるライセンスやノウハウを手中に収めていったのだ。

Bankera is proud to announce a Partnership with an Electronic Money Institution licensed in the EU

電子マネーライセンス取得を巡る疑念の裏側

一方で、提携を発表したPerveskのCEOがBankera共同創業者のVytautas Karalevičius氏であったことは、一部の人々の間で「自作自演では?」との声があがり、「Bankeraはスキャムコイン(詐欺コイン)ではないか」という疑念を呼ぶことにもなった。ICOという、誰からでも投資を受けられる仕組みの弊害でもある。ICOで資金を集め、トークンの価格が高騰したところで自分たちのトークンを売り抜けて消えてしまう類の仮想通貨プロジェクトではないかという疑念は、どの仮想通貨プロジェクトにも向けられるものであり、実績を積んで実力を証明することでしか疑念を晴らすことはできない。

一方で、別の見方をすれば、同氏は仮想通貨取引所であるSpectroCoinの立ち上げからBankeraの始動まで4年を費やす間、別事業としてPerveskでEUの電子マネーライセンス取得を進めていたということなのだ。同ライセンスの取得には35万ユーロ、日本円で約4340万円の資本金が必要で、「自作自演」には高過ぎるコストだ。電子マネーライセンスの獲得自体が実績の証明となったこともあり、上記のような疑念の声は、すぐに聞かれなくなった。

結果、BankeraにはSpectroCoinで開発されたデビットカードなどのプロダクト、買収したPacific Private Bankがもたらす銀行業のノウハウ、Perveskが取得したEUでの電子マネーライセンスが揃っている。Bankeraが行き当たりばったりで事業を進めているわけではないことは明らかだ。綿密で用意周到な事業計画が、「ブロックチェーンベースの銀行を創る」という壮大な計画を下支えしていると言える。

「FINTECH100」に選出

Bankeraは、同年6月に大手仮想通貨取引所のHitBTCにBNKを上場すると、それ以降、自前の仮想通貨取引所や、SpectroCoinとのデビットカードの統合へ向けてプロダクトの開発に注力する。2018年末にはチームのメンバーが100人を超えたことも報告されている。

Bankera2018年の総決算

日本向けサービス停止の理由は・・・?

2019年1月7日には、Bankeraが運営する仮想通貨取引所が全世界に向けて正式にオープンした。直前の1月5日には、日本向けサービス提供を当面見合わせることがBankeraのTwitterアカウント上で発表されたが、同時に、「今後のサービスのご提供に向けて取り組んで参りますのでお待ちいただければ幸いです」と、日本向けサービスの再開を目指すことを宣言している。

日本向けサービス提供見合わせの発表は、海外の取引所が正式に日本へ進出することのシグナルでもある。シンガポールのHuobiは、日本向けサービスを停止した上で、日本で金融庁からの認可を受けているBitTradeを買収、2019年1月8日から日本向けサービスを再開している。香港のHitBTCも2018年6月に日本向けサービスを停止した上で、日本法人を設立し、金融庁への仮想通貨交換業者へ登録することを目指している。

2018年1月に発生したコインチェックへの不正アクセス・仮想通貨の不正送金事件以降、金融庁は未認可の仮想通貨取引所への対応を強化。海外を拠点にしている取引所も例外ではなく、日本語ページを設置している取引所は、今後の日本展開について選択を迫られた。金融庁から認可を得られる仮想通貨取引所は、セキュリティ対策、マネーロンダリング対策等が十分に行われていると認められた取引所だけだ。金融庁から未認可のままで日本人ユーザーを抱え込む海外の取引所も存在する中、Bankeraはオフィシャルな形で日本への進出を目指しているのだ。

何よりも“クリーン”であることは銀行業にとって最大の条件だ。スタートアップのBankeraだが、「三つのコア」として、「資本」、「技術」と共に「コンプライアンス」を挙げており、そこに、今後主流になっていくであろうブロックチェーンベースの銀行業界を背負って立とうという気概を感じる。

Bankeraが注目を集めている背景には、綿密な事業計画が存在していたということがお分かりいただけただろう。そして、Bankeraが既に開発を進めているサービスからも、それを読み取ることができる。

デビットカードと仮想通貨ウォレットを連動

通常の仮想通貨プロジェクトは価値の交換や保存の為に仮想通貨やトークンを発行するが、「銀行」を目指すBankeraにとっては、独自トークンのBNKは、既存の銀行にとってのフィアット(法定通貨)と同様の役割を果たすことになる。

現在開発が進められているBankeraウォレットは、母体である仮想通貨取引所SpectroCoinと共同で発行するデビットカードと連動する予定だ。SpectroCoinのウォレットとデビットカードは既に利用可能で、決済代行の実績も十分ある。

さらに、SpectroCoinのデビットカードはBankeraのデビットカードと統合される予定だ。仮想通貨のウォレットからカードで決済する――Bankeraが「銀行」として業務を開始した時には、そんな光景は当たり前のものになっているかもしれない。

トラブル発生!Bankeraの対応は?

もちろん、スタートアップが新たな技術を取り入れて銀行業へ進出することは一筋縄ではいかない。BankeraとSpectroCoinが発行するデビットカードを巡っては、あるトラブルも発生していた。

2018年1月、クレジットカードのVisaは、ヨーロッパで仮想通貨向けのデビットカードを発行していたWaveCrestがVisaの規則違反を繰り返していたとして、その提携を解消した。詳細な経緯については公開されていないが、Visaは「安全性と誠実性を保証する為」と声明を出している。

Multiple Bitcoin debit card providers suspend service under orders of Visa

実は、BankeraとSpectroCoinがデビットカードの発行を委託していたのがこのWaveCrestだ。他にもBitwala、Cryptopay、TenX、Wirexといった仮想通貨プロジェクト数社がWaveCrestにデビットカードの発行を委託していた為、業界に衝撃が走った。各社は「寝耳に水」といった様子で、Bitwalaは「社内で緊急会議を開き、解決へ向けて取り組みます」、Cryptopayは「解決に取り組んでいます」と声明を出している。これを受けて、Bankeraもすぐさま声明を発表した。

New Bankera cards have already arrived

その内容は、Bankeraは次善の策を既に用意していたことを公表し、バックアップの発行会社から新たなカードを入荷したことを、到着した貨物の画像を添えて伝えるものだった。仮想通貨用デビットカードの発行が、即席で作り上げたアイデアであったならば、このような対応は困難だったはずだ。Bitwalaはカード再発行の計画を発表するまで2ヶ月を要するなど、各社が対応に追われる中でもBankeraは落ち着いた動きを見せており、やはりここでも、SpectroCoinの運営で蓄積してきた経験が活きたと言えるだろう。

既存の組織とも連携

Bankeraのもう一つの特徴は、決してフィアット(法定通貨)の存在を軽んじているわけではないという点だ。Bankeraはホワイトペーパー上で、「Cash is the King」と、まだまだ現金が人々にとって大きな意味を持っていることを認めている。その上で、自分たちはブロックチェーンベースの銀行として、現金の取り扱いが可能な既存の金融組織と連携していくことを表明している。

この姿勢は、Bankera公式ウェブサイトのトップページに掲載されている「旧来の世界とブロックチェーン技術の架け橋になる」というコンセプトに一致する。こうした独りよがりにならない柔軟な姿勢が、前述したバヌアツのPacific Private Bank買収に繋がったのだろう。

②Bankeraが持つ競合優位性

他のプロジェクトと比較

Bankeraだけが「ブロックチェーンベースの銀行」を標榜しているわけではない。ざっと名前を挙げるだけでも、Bankeraのほか10ものブロックチェーン銀行プロジェクトが存在する。

  • MyCryptoBank(エストニア)
  • CoinsBank(イギリス)
  • Cryptopay(イギリス)
  • Tokenpay(イギリス領ヴァージン諸島)
  • Crypterium(イギリス)
  • Bank4You(ルクセンブルク)
  • BABB(イギリス)
  • FSBT TECH(イギリス)
  • CASHA(フィリピン)
  • Polybius(ベルギー)

これだけ多くのプロジェクトが出揃っていれば、その目標も理念も様々だ。例えば、拠点をイギリスに置くFSBT TECHは、リブランディング前にはForty Seven Bankを名乗っており、同じく「銀行」を標榜していたが、現在では、銀行が利用できるブロックチェーンベースのオープンAPIの開発に力を入れている。

同じくイギリスを拠点にするBank4Youは、モバイルバンキングに特化したサービスを開発しており、コンサルティングサービスの提供には至っていない。

最新のブロックチェーン銀行プロジェクトであるMyCryptoBankは、仮想通貨用のATMを開発。ICO実施前の段階で既にプロダクトが完成している。

一方、2019年1月現在、Bankeraの計画にATMの設置は盛り込まれていない(既存のATMとの連携は示唆している)。これはBankeraのコンセプトが、コストのかかる実店舗の設置は行わず、オンライン上で全ての業務を取り扱うというものだからだ。

MyCryptoBankは、利用者の従来の暮らしに根ざした「銀行らしさ」を残す判断を下した。果たして、今後主流となってくるのはどちらのプロジェクトなのだろうか。

Bankeraの最大の武器

ここで、Bankeraが他のプロジェクトと比較して特別である理由を紹介しておこう。上記のプロジェクトの中で、デビットカードという物理的なプロダクトと、仮想通貨取引所というオンライン上のプラットフォームの両方を所有しているプロジェクトは現時点ではBankeraだけだ。

加えて、銀行の買収や電子マネーライセンスの取得など、ビジネスの地盤を固める活動にも余念がない。このバランス感覚がBankeraの最大の武器だと言える。何らかの機能に特化するのではなく、総合的に「ブロックチェーンベースの銀行」を目指そうとする姿勢が現れている。

特化型事業にも勝機

もちろん、手広いビジネスにはそれなりのリスクも存在する。だからこそBankeraは周到な準備を重ねてきたはずだ。

一方で、前述のFSBT TECHやBank4Youのように、ある一点に特化することを目指す事業にも勝機はある。市場がまだ確立されていないこの分野では、特定の事業の代表格になれる可能性が高い。Bankeraのように強い基盤を持たない小規模なスタートアップでも、特化型のプロジェクトで世界に変革をもたらすチャンスが十分にあるのだ。

③ Bankeraを支える環境

拠点はブロックチェーン先進国リトアニア

Bankeraの躍進を支える三つ目の要因は、Bankeraがリトアニアに拠点を置いているということだ。リトアニアは、旧ソ連でバルト三国の一つであり、現在ではEUに加盟している人口50万人程の小さな国だ。資源に恵まれてこなかったものの、近年ではフィンテック関連のスタートアップを積極的に受け入れており、「ブロックチェーン先進国」との呼び声も高い。

2018年2月にInvest Lithuaniaが発表した「Lithuania Fintech Report 2017」によると、2017年だけで35社ものフィンテック企業がリトアニアに進出し、計117社のフィンテック企業がリトアニアを拠点に活動を行っているという。

Lithuania Registered 35 New Fintech Companies in 2017

これはリトアニア政府が電子マネーライセンスの取得や金融機関の設立に関わる手続きを大きく簡略化したことに拠るところが大きい。2018年12月には、Googleがリトアニア中央銀行から電子マネーライセンスの認可を得て、EU全域で電子マネービジネスを展開できるようになっている。

Google just nabbed an e-money license — and it highlights the serious threat tech companies pose to incumbent banks

ブロックチェーン人材が集まるリトアニア

2018年1月にはヨーロッパで最初のブロックチェーンハブ、Blockchain Centre Vilniusがリトアニアの首都ヴィリニュスに設立された。

Lithuania debuts as EU gateway for global blockchain industry

ブロックチェーンスタートアップに特化したコワーキングスペース/インキュベーション施設として、スタートアップへのサポートを実施している。リトアニア政府のフィンテックやブロックチェーンプロジェクトに対するオープンな姿勢に、「ヨーロッパの入り口」としての価値が加わった結果、世界中からフィンテック関連の優秀な人材が集まり、リトアニアから新たなスタートアップが次々と誕生している。まさに好循環を生み出しているのだ。

Bankeraの計画は、その拠点選びから始まっていたということである。壮大な目標設定、危機管理、柔軟な姿勢、計画性など、スタートアップがBankeraから学べる点は多いだろう。

今後、改ざん不可能で低コストという特徴を活かし、送金や決済に限らず、あらゆる銀行業務がブロックチェーンベースのものとなっていくだろう。既述の通り、Bankeraはその綿密な計画と多彩なプロダクト、そして十分に力を発揮できる環境を兼ね備え、ブロックチェーンバンキングのスタートアップとしては他のプロジェクトを一歩リードしている。だが、ここから先は誰も見たことのない未知の世界だ。

フィンテックとブロックチェーンが、銀行の業務をどのように変えるのか――今後の動向に注目しよう。

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