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日本ビッグデータの本丸 IoTプラットフォームをどう活用するか

日本ビッグデータの本丸 IoTプラットフォームをどう活用するか

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2018/12/21

2018年10月、トヨタ自動車とソフトバンクが、両社共同で「MONET Technologies(モネ テクノロジーズ)株式会社」という新会社を設立し、MaaS(Mobility-as-a-Service)事業を手掛けるという発表を行った。会社の設立自体は大きなニュースになったが、MONETが提供するサービスにソフトバンクのIoTプラットフォームが使用されることはあまり話題にはなっていない。今回は、実際にはMaaSの「裏方」として活躍するIoTプラットフォームの基本情報を紹介し、今後様々なデータを利用したサービスを提供していくにあたり、IoTプラットフォームの活用方法を考えていく。

世界に広がるIoTプラットフォーム

IoTプラットフォームとは、IoTを活用したシステムを実装するために必要な機能をインターネット経由で、遠隔のコンピュータやサーバに提供するための標準基盤を意味する。IoTのデータを活用したサービスの事業化が期待されているため、IoTプラットフォームを開発、提供する企業が続々と登場しており、世界で注目されている。

例えば、米マイクロソフトは、航空機エンジンや船舶、エネルギー関連機械の製造、販売を行う英ロールス・ロイスと協業し、同社にIoTプラットフォームを提供している。IoT向けシステム基盤であるMicrosoft Azure IoT SuiteとCortana Intelligence Suiteをマイクロソフトが提供し、ロールス・ロイスが自社製エンジンの運用監視システムを開発した。

Microsoft Azure IoT Suiteはエンジンの状態や航空管制、航路制限、燃料使用に関連するデータの収集に活用され、Cortana Intelligence Suiteは問題や傾向のデータ分析のために用いられる。世界各地のジェットエンジンに多数のセンサーを配置し、膨大な量のデータをリアルタイムで収集することで、早期の段階での異常検知、エンジンの点検、修理の効率化が実現できる。

ロールス・ロイスの顧客にとっては、エンジンの修理回数を減らし、航空機運用の効率性を高められるというメリットがある。

また、米IBMは、2015年12月にAIプラットフォーム「Watson」とIoTを連係する事業「Watson IoT」のグローバル本部を、ドイツのミュンヘンに開設し、自動車と産業機械向けの精密部品を専門とするドイツ企業Schaefflerと、2016年10月に提携したと発表した。

Schaefflerは自動車のクラッチシステムや風力タービンで使われる産業用ベアリングなど、様々な部品を扱っている。同社は、Watson IoTを活用して、産業用システム全体を仮想モデルとして表現することを目指している。オペレーション全体を通して膨大な数のセンサーや機器から集めたデータをこのモデルに与えることで、生産プロセスの最適化、メンテナンスの最適化などを行う。

このように、世界で様々な企業がコスト削減や生産性の向上などの課題解決を目指し、IoTプラットフォームを導入している。

次に期待されるMaaSでの活用

MaaS(Mobility-as-a-Service)とは、人工知能(AI)等の技術と交通・移動シェアリングサービスを統合して次世代の移動手段を提供するサービスのことで、いま、世界中の大企業やスタートアップがこれに関連するビジネスに取り組んでいる。

日本国内でも、トヨタ自動車とソフトバンクが提携し、両社共同でMONETとしてMaaS事業を行う。

今後、MONETでは、利用者の需要に合わせて必要なときに適切に配車を行う「地域連携型オンデマンド交通」「企業向けシャトルサービス」などを全国の自治体や企業向けに展開していく。そして、2020年代半ばまでには、移動だけでなく物流、物販など多目的に活用できるトヨタのモビリティサービス専用次世代電気自動車(EV)「e-Palette(イーパレット)」による「Autono-MaaS」事業を展開する予定である。例えば、移動中に料理を作って宅配するサービスや、移動中に診察を行う病院送迎サービス、移動型オフィスなどのモビリティサービスを需要に応じて適切に提供する。

MONETは、トヨタが構築したコネクティッドカーの情報基盤である「モビリティサービスプラットフォーム(MSPF)」と、スマートフォンやセンサーデバイスなどからのデータを収集・分析して新しい価値を生み出すソフトバンクの「IoTプラットフォーム」を連携させる。そして、車や人の移動などに関する様々なデータを活用することによって、需要と供給を最適化し、移動における社会課題の解決や新たな価値創造を可能にしようとしている。

日本で成功するか IoTプラットフォーム戦略

上述のソフトバンクが提供するIoTプラットフォームは、モビリティサービスだけでなく、様々な産業で使用される。例えば、公共インフラの分野では、事業者が持つ構造物設計データと保全計画に対して、構造物の振動、ゆがみなどのデータ、さらにはオープンデータ、環境センサーを併せて使用することで、予防保全や災害対策を行う。

また、製造・物流・小売りの分野では、事業者が持つ生産計画、輸送計画、POSデータに対して、輸送トラックの位置情報や振動、トレンドや気象情報を併せて使用することで、生産現場から販売エリアまで品質管理ができ、加えて機会損失・余剰在庫を最小化するスマートサプライチェーンを実現する。

以上のように、様々な産業にIoTプラットフォームが関わり、産業を横断してデータのやり取りが行われるようになる。IoTプラットフォームはデータの種類・量が多くなるほど、プラットフォームの価値も大きくなるため、関わる企業やデータを戦略的に多くしていくことで、プラットフォームの価値を高め、そのプラットフォームが関わるサービスの価値を波及的に向上させることができる。

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