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働き方が変わる 拡大するギグエコノミーとは

働き方が変わる 拡大するギグエコノミーとは

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2018/10/26

(写真=structuresxx/Shutterstock.com)

米国を中心に、企業に雇用されることなく単発の仕事を請け負う働き方や、そうした働き方で形成される経済形態「ギグエコノミー」が普及している。米国などが新興国からIT人材を調達するケースが増え、2025年には世界のギグエコノミーの市場規模が37兆円に成長するとの試算もある。今回はギグエコノミーの中で急成長する企業や、データを活用して消費者の需要と労働者の供給を最適化する企業の取り組みについて考えたい。

拡大を続けるギグエコノミー

米ソフトウェア会社のIntuitによると、米国においてオンデマンドワーカー(隙間時間で仕事をする労働者)の数は2015年の240万人から、2017年には540万人、2018年には680万人に増加する見込みだ。また、オックスフォードインターネット研究所(Oxford Internet Institute 2018)がギグエコノミー市場について2016年7月から2017年6月まで1年間かけて調査したところ、1年間に市場規模が26%成長したという結果が出ている。

さらに、職業別ではソフトウェア開発・技術作業が最も市場規模が大きかった。この職業の市場規模は調査開始からの1年間で37%増加し、次いでクリエイティブ・マルチメディア系が続き、21%上昇した。会計、ビジネスコンサルティング、法的相談などのサービスは全体から見ればまだ3%程度の市場規模ではあるものの、1年間で43%と市場が急拡大した。

個別の国ごとに比較すると「雇用主」としては米国企業が最も多く、2017年には46%を占めた。しかし、2016年の米国のシェアは52%であったことを考えると、他国のギグエコノミー市場も発展、成長していることが分かる。

ギグエコノミーで成長する企業

ギグエコノミーが発展する背景にはUber、Airbnb、Upwork、Doordashなど、ネット上でプラットフォームを提供する企業の成長があると考えられる。このような単発の仕事を提供する企業で代表的な企業としては、ライドシェア最大手のUberが挙げられる。Uberは2018年8月時点で世界の65ヶ国、600以上の都市で展開しており、1日の乗客数は1,500万人に上る。登録ドライバー数は2015年時点で100万人程度だったが、2017年には約300万人になり、2年で200万人ほど増加した。配車予約の総額は2015年の約1兆円から2017年には3兆8,000億円ほどに増えた。

また、Airbnbも2008年の創業以来大きく成長した。掲載されている宿泊施設数は年々増加しており、2017年には191ヶ国以上、約400万件にまで達した。トータルの利用者数は2億人を超えている。

さらに、米国内にはオンデマンドワーカーと企業をつなぐオンラインプラットフォームサービス「Wonolo」がある。Wonoloの特徴は、企業が求人案件を登録してから平均10分以下で人員割り当てを可能にしていること。また、データに基づいた独自のマッチングシステムを用いていることも特筆すべきことだ。Wonoloはテンプホールディングスなどから出資を受け、事業の規模を拡大している。

これらの企業が発展、成長している背景には、スマートフォンやソーシャルメディアの発展、普及で世界中の人々とサービスを共有できるようになったこと、またプラットフォームの普及で、企業が持つ仕事と個人をマッチングすることが容易になったことなどが考えられる。今後も自分の都合の良い時間に働き、収入を得られる働き方は増えていくと考えられる。

ギグエコノミーを支えるテクノロジーの進展

中国でライドシェアサービスを提供する滴滴出行(Didi Chuxing)は、データを活用してプラットフォーム上で需要と供給を最適化している企業の一つである。ギグエコノミーの今後の拡大を予測する際に、それを支えるテクノロジーの進展も1つのポイントになる。

滴滴出行のプラットフォームには、4.5億人以上の運転手が登録されており、1日に2,500万回以上もが乗車する。1日に新たに生じるデータ量は70TB以上、処理されるデータ量は4,500TBに達する。この膨大なデータを活用して、需要の予測、ルート提示と到着時間の見積もり、配車の最適化に取り組んでいる。さまざまな背景を持つ膨大な数の人々が、運転手として従来にはなかった形式の働き方を実現しているのである。

企業による雇用に縛られないさまざまな働き方への認識が世界的に広まり、そうした需要を取り込んで成長する企業が次々と出てきたことで、ギグエコノミーは拡大のスパイラルに入る兆しを見せつつある。今後、その仕組みを支えるプラットフォームやテクノロジーの発展が伴えば、現状の想定よりもずっと強く世界経済や社会動向に影響を与えるようになるかもしれない。

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