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MUFG Digitalアクセラレータ プログラム運営の舞台裏(2018年版)

MUFG Digitalアクセラレータ プログラム運営の舞台裏(2018年版)

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2018/09/07

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)が主催するスタートアップ支援プログラム“MUFG Digitalアクセラレータ”の第3期は、7月27日にDEMO DAYを実施。参加スタートアップ各社とMUFGとの協業も発表するなど、成功裏に終了した。

第3期の運営の舞台裏を取材すべく、プログラム運営の主要メンバーである以下の4人にお話を伺った。

MUFG デジタル企画部 藤井 達人氏、桂 寧志氏
株式会社三菱総合研究所 経営イノベーション本部 松田 信之氏、橋本 由紀氏(プログラム運営支援)

―第3期の運営、お疲れさまでした。DEMO DAYも大盛況でしたね。

藤井 「今回も、多くの方の協力を得て、無事にプログラムを終えることができました。またスタートアップ各社とMUFGの協業も発表することができて、事務局としても大きな達成感を感じています。」

松田 「今年は会場を東京国際フォーラム(ホールD)に変更したということもあり、来場者からは「豪華に見えた」という感想もありました。実際には、舞台袖のライティング演出など工夫を凝らしたのが功を奏しましたね。」

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(2018年7月27日に行われたDEMO DAYの様子)

 「予算を増やさずに、なんとか頑張りました(笑) 今年はオーディエンス賞を設定するなど、会場の人たちも審査に参加できる仕組みを設けたので、多くの方に楽しんでいただけたようです。」

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(左から:MUFGデジタル企画部 桂氏、藤井氏)

―去年と比較して今年の運営で大きく変えた部分はあったのでしょうか?

藤井 「プログラムの骨格自体は特に大きくは変えていません。4ヶ月間のプログラム中、前半2ヶ月はスタートアップ自身のビジネスプランをブラッシュアップ、後半2ヶ月はMVP構築とMUFGとの協業ディスカッションを進めるというのがメインシナリオです。チームによってリズムのバラつきは出てきますが。」

橋本 「プログラム参加企業の一般公募期間中(2017年11月下旬~2018年1月中旬)に実施する説明会は、回数を増やしました。場所も、大手町(Finolab)・渋谷(Plug and Play Japan)・五反田(DEJIMA)など、スタートアップが立ち寄りやすい場所で開催したり。少人数制のミートアップも数回実施しました。」

 「最近ではフィンテックという言葉も珍しくなくなり、またオープン・イノベーション関連のプログラムを実施する企業が増えているので、説明会などを積極的に開催して私たちのプログラムの認知度や内容への理解を高めて行く必要があると感じています。」

松田 「回数を増やした効果はありましたよね。第3期に参加したスタートアップ6社のうち、4社は説明会に参加されていました。説明会は、参加に関する相談会も兼ねているので、事務局側とじっくりコミュニケーションを取ることができてプログラムへの理解をより深めることができます。応募した企業から、説明会のおかげでエントリーフォームが書きやすくなったという意見をいただいています。」

藤井 「説明会で相談に来られて、実際に作っているモノを見に、オフィスを訪問させてもらったケースもありました。」

松田 「第3期のnnf社ですね。光るスマートフットウェアが実際にどのようなものなのか、ぜひ見てみたいということで選考プロセス前でしたが実物を見に行きました。nnfさんには、その後の正式な選考プロセスにきちんと参加してもらいましたが、事前の訪問で我々の理解が深まっていたことは確かです。スタートアップの方はぜひ説明会に参加していただき、いろいろご相談いただければと思っています。」

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(三菱総合研究所 松田氏)

―参加したスタートアップ企業からは「密度の濃いプログラムだった!」という感想が聞こえてきました。

 「私にとっては第3期が初めてのバッチだったのですが、プログラムの運営を経験して、ここまでやってようやく(スタートアップ、MUFG双方にとって)意味のある結果が生まれるのかと思いました。今回、プログラム全体の運営と、チームのファシリテータを担当したので、文字通りあっという間の4ヶ月間でした。」

藤井 「参加企業の選考過程において、最終的にスタートアップ企業とMUFG側のマッチングが成立することを1つの条件にしていますから、プログラム開始時点ですでにお互いの熱量が高まっている状態なんですよ。マッチングせずに事務局が勝手に参加企業を選んでしまうと、誰のサポートも得られないという事態になる可能性がありますから、そうならないような仕組みで運営しています。」

橋本 「“ファシリテータ制度”もプログラムの密度を高めるのに貢献していますよね。1スタートアップ企業に対して事務局から“ファシリテータ”というお世話役を1名以上必ずつけて、打ち合わせのスケジュール調整や飲み会の設定といったロジから、メンタリングセッションの舵取りやメンターとスタートアップの間にたってコミュニケーションの交通整理をしたり・・。」

藤井 「如何に本質的な議論に集中して時間を使ってもらうかという事を達成するのに、ファシリテータの存在は欠かせません。スタートアップとMUFGの“チーム感”を醸成するためにも非常に重要です。実は、第1期のバッチを開始した直後はファシリテータ制度が無かったのですが、必要性を感じてすぐに作りました。」

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(三菱総合研究所 橋本氏)

―プログラムの熱量の高さは、まさにファシリテータによって培われているわけですね。

松田 「ファシリテータの活躍に加えて、第3期ということでメンター側も慣れてきているというのもあります。我々がプロメンターと呼んでいる外部のメンターの方々はメンタリング経験豊富なのですが、MUFGから参加しているMUFGメンターも過去のプログラムを通じてメンタリングのコツを掴んでいて、議論の活性化に貢献してもらっています。」

藤井 「昨年、DEMO DAYでグランプリを獲れなかったメンターの人たちは「今年こそは!」と燃えている人も多かった。もちろんグランプリを獲ることが全てではないのですが、そのくらいの熱量で参加してくれているメンターが多いというのは、事務局としても非常に嬉しいことです。」

橋本 「前半の2ヶ月でかなり激論をかわし、ビジネスモデルを磨き上げる事ができたチームが多かったですね。私もファシリテータを担当しましたけど、プログラム前半にスタートアップとメンターを束ねたチーム感の向上がとてもうまく行き、より良いディスカッションができる素地を作れたと感じています。プロメンターの指摘も的確で、次のメンタリングまでに必ずその指摘にスタートアップが応えるというサイクルがうまく回っていました。」

 「インターナルDEMO DAY(プログラム折り返し地点での発表会)の時点で、すでに各チームのビジネスプランの骨格はできあがっていました。良く見せる効果的な資料やプレゼンの完成度はまだまだでしたが、オーディエンスからの反応はすごく良かった。にも拘らず、その後の各チームでは反省会を開いたところもあったようですが。」

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(2018年5月24日に行われたインターナルDEMO DAYの様子)

橋本 「その他にも、MUFGとMRI、メンターの社外ネットワークをうまく使って、プログラム外の人たちにも必要に応じてアクセスし、役に立つ繋がりを作れたというのも大きかったと思います。」

―成功裏に終えられた一方で、苦労した面もあったのではないでしょうか。ぜひ苦労話やうまく行かなかったことも教えてください。

藤井 「内部事情はなかなか言いにくい部分もありますが(苦笑) もちろんすべてが順調で苦労が無かったわけではなく、今回も色々と対処すべきイベントがありました。」
「まず、ビジネスプランをブラッシュアップする際に「どこの市場を見ているのか」を定義するのは、毎回苦労するポイントです。スタートアップ側が自身のビジネスプランで狙いたい市場と、MUFGやプロメンターから客観的に見てそのビジネスが狙えるであろう市場や顧客層にズレがある場合、どちらを取るのか?という議論は長引きがちです。ロジカルに考えると、スタートアップのメンバーが実際にアクセス可能な市場を狙うべきですが、そうすると対象市場がシュリンクして魅力のないビジネスになってしまうことがある。かといって思い切ったピボットには踏み切れない。そういう議論は毎回あります。」

松田 「そのあたりはファシリテータの腕の見せ所ですね。議論の全体感を見て、頃合いを見て話の整理に入ってうまく収束させていく。」

橋本 「メンターも上から目線で正論を言うことは無く、建設的な意見を出せていたと思います。『このプログラム以外でも、いろいろな人からアドバイスをもらうことがある中で、このプログラムのメンターから言われることが一番納得できるから頑張れる』と言うスタートアップもいましたね。」

 「それから、プログラム序盤で「この技術はこう使える」という初期的な仮説をいくつか立てたあと、立て続けにその仮説を立証できなかった時に、ファシリテータとして次のアクションをどうしていくのか、チームの議論を次の局面に持っていく方向性に悩んだことがありました。」

藤井 「技術的な仮説だけでなくビジネス仮説も含めた全般的な話として、それは“アクセラレータ事務局あるある話”の1つだよね。そこはどうやって立て直したのだっけ。」

 「スタートアップ側が、技術には絶対の自信を持っていたので、その技術をどう広く使ってもらえるか、という方向に切り替えて再検討を行いました。結果的に、良い方向に切り替えることができたので、必要なステップだったのかもしれません。」

藤井 「他には、チームで検討しているMUFGとの協業内容がDEMO DAY当日まで漏れないように、情報コントロールを厳しく行っているチームへの対応なども。」

松田 「そこは、各チームで温度感に差がありましたよね。また、効率的な議論を最優先にするために、チームが自主的にメンタリングセッションを人数制限したりなど。今回のバッチでは各チームで進め方に大きな差があったので、事務局として最新状況を把握するためにいろんな人に聞き回っていました。」

―最後のDEMO DAYではMUFGからも数多くの人が参加して、スタートアップとも活発にコミュニケーションを取っていたのが印象的でした。何がそこまで皆さんの動きを後押ししているのでしょうか?

藤井 「伝統的な金融機関はデジタル化の波に巻き込まれ、競争環境はますます厳しくなってきています。こうした中で、オープン・イノベーションで早く優れた競争力のあるサービスを協働で生み出すアプローチは不可欠になっており、MUFG各社の人たちも非常に大きな興味を持っています。私たちも引き続き、一人でも多く社内の人を巻き込んでいきたいと考えています。」

 「社内から、第4期には新たにメンターとして参加したい!という声ももらっており、今後、より多方面でスタートアップを支援できる体制を整えていくつもりです。また、スタートアップ企業と対等な目線で「一緒にやろう!」という空気感を守っていくのも事務局の大事な役割だと考えています。」

藤井 「マネジメントからは、このプログラムは社内の意識改革にも良い効果があるねという意見をもらっています。プログラムの社内マーケティングを継続的に頑張って、関与したいと思ってくれる人をもっと増やしていかないといけないですね。」

松田 「今回のDEMO DAYでも、過去のバッチに参加したスタートアップ企業に参加してもらい、新サービス発表の場として使ってもらいましたが、そうした場で過去に担当したMUFGメンターとの会話が継続できているのも良いですよね。コミュニティとして育ってきている感があります。」

藤井 「そうですね。プログラム終了後は我々事務局が引き続き協業をフォローしていますし、出資も検討します。」

―最後に、第4期に向けて事務局としての新しい挑戦や目標などがあれば教えてください。

藤井 「毎期考えていることですが、海外のスタートアップ企業に参加してほしいと思っています。日本の市場に興味を持つスタートアップは多いのですが、実際に入ろうとするとなかなかハードルが高い。前期でも最終選考まで残った海外企業はありましたけど、諸事情で採択できなかった。我々も前期の学びを生かして、海外企業が応募しやすい環境を整えたいです。」

橋本 「惜しかったですよね。実際には、本当に有効なリモートメンタリングができるのかなど、事務局側としても手探り感はありましたが。」

 「アクセラレータ参加企業からさらに広げて、フィンテックやテック企業が集う拠点を構築したいと考えています。そこに海外スタートアップが一時的な拠点を設けることができれば、日本市場にも進出しやすくなります。また、MUFGは北米やアジアで広いネットワークを持っていて、タイではMUFGの子銀行であるアユタヤ銀行が“Krungsri RISE”というアクセラレータプログラムを運営しています。このネットワークを活かして、日本のスタートアップが海外に進出するサポートもできればと思います。」

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