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中国版イーサリアム「NEO」その特徴とポテンシャルに迫る

中国版イーサリアム「NEO」その特徴とポテンシャルに迫る

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2018/09/04

(写真=Wit Olszewski/Shutterstock.com)

中国発のブロックチェーンとして注目を集める「NEO」。2014年にスタートした本プロジェクトは、2018年には東京にも拠点を広げている。

また、NEOはスマートコントラクトを稼動できるプラットフォームであり、同様の目的を持つイーサリアムと類似点もある。本記事ではNEOの特徴について解説し、その将来性を考察したい。

中国版イーサリアム・NEOの現状

「スマートエコノミーのためのオープンなネットワーク」であるNEOは、中国の上海に拠点を置く非営利のブロックチェーンプロジェクトである。“中国版イーサリアム”と呼ばれることもあるが、プロジェクトの誕生はイーサリアムよりも古い。2014年のプロジェクト開始時はAntSharesと呼ばれていたが、2017年に現在のNEO(ニオ、またはニーオと発音)と改名された。

NEOのプラットフォームでは、プロジェクトと同名の仮想通貨NEOが使われている。2017年後半から始まった仮想通貨ブームで法定通貨換算の価格は上昇したものの、2018年に入ってからはビットコインをはじめとする他の仮想通貨同様、価格は下落傾向にある。(2018年8月現在)。

NEOについては、かねてから中国政府との関係が噂されてきた。その理由として、NEOは中国初の比較的大規模な仮想通貨およびブロックチェーンプロジェクトであること、中国政府と緊密な関係にあるデジタルIDサービスTHEKEYがNEO上で稼働していることが挙げられる。THEKEYは、中国政府が認めている個人の識別情報である「PII」を用い、個人情報をブロックチェーンで管理する基盤を作ろうとする取り組みだ。NEOとTHEKEYの関係性について現時点では公式の発表はない状況だ。

NEOとイーサリアムに見られる共通点と相違点

DAppsと呼ばれるブロックチェーン上で稼動する分散アプリケーションのプラットフォームであるNEOは、分散同様の機能を持つイーサリアムと比較されることが多い。ここでは両者の共通点と相違点について整理してみたい。

両者は分散アプリケーションのプラットフォームという点で共通している。イーサリアムではERC20という規格に基づいて新たな仮想通貨(トークンとも呼ばれる)を発行することが可能であるのと同様に、NEOのプラットフォーム上でもNEP-5という規格に基づいてトークンを発行することができ、ICOを実施することも可能だ。

また、いずれもGitHub上で開発が行なわれ、ソースコードが公開されている。ただし、2018年8月現在、GitHubで公開されているNEOのコードの最終コミットの日付を見てみると、最新のものでも1ヶ月以上前の更新で、イーサリアムと比べて更新頻度は低いようだ。NEOの利用を検討する場合、今後コミュニティによって継続的に開発が行なわれるかどうかを判断する必要があるだろう。

一方で、両者の間には大きな違いもある。その一つが、ブロックを生成する際の合意形成アルゴリズムだ。イーサリアムではビットコインと同様のPoW(プルーフオブワーク)が採用されている。将来的には、通貨の保有割合に応じてブロック承認の権利を獲得するPoS(プルーフオブステーク)への転換が予定されている。

一方、NEOはdBFT(Delegated Byzantine Fault Tolerant)と呼ぶ合意形成アルゴリズムを採用する。一部の承認者が不正に手を染めようとした場合などに、合意形成ができなくなり、取引システムとしての破綻が起き得る「ビザンチン将軍問題」の発生を回避できるようにしている。具体的にはdBFTにおいて仮想通貨保有者は、投票によって複数の承認者を選ぶ。さらに、承認者の中から無作為に代表者を一人置く。この代表者は、他の承認者による信任投票を受け、全体の3分の2の信任が得られない場合、再度承認者を選ばなくてはならないという仕組みだ。代表者は常に3分の2以上の信任を受けていることから、信頼できると判断する。現状、この合意形成にかかる時間は20秒前後であるが、さらに短縮することも検討されている。秒間トランザクション処理数は1,000に達し、理論的には10,000トランザクションを処理できるという。

スマートコントラクト実行時の手数料の仕組みにも違いがある。イーサリアム上で動く分散アプリケーションでは、ブロックチェーンへの書き込みが発生するスマートコントラクトを実行すると、ユーザーはGASと呼ばれる手数料をイーサリアムで支払わなければならない。たとえば2017年末、仮想通貨ブームの真っ只中に一大ブームとなった猫を交配するゲームCryptoKittiesでは、猫の所有権を移転する際に、ユーザーはプラットフォームに対しても手数料を支払わなければならず、細かな出費が発生する。

一方、NEOでもプラットフォームに対して手数料を支払うが、イーサリアムと異なるのは「NEOガストークン」と呼ぶ独立したトークンが発行される点にある。NEOガストークンは取引所で購入できるほか、NEOの保有割合に応じてユーザーに発行され、トランザクション手数料を支払う仕組みになっている。

また、開発者により広く門戸を開いている点もNEOの特徴と言えるかもしれない。イーサリアムプラットフォームではスマートコントラクトをSolidityといった独自の言語でプログラミングすることになるが、NEOではPython、Java、C#など開発者がすでに使い慣れた言語でプログラムを書くことができる。今後JavaScriptといった言語のサポートも計画されている。

2018年にブレイク!?NEOの将来性と課題

ここまでの内容を踏まえ、NEOの展望について考えてみたい。

NEOが期待を集めている点として、ICOに利用できる点がある。NEOに関する情報を提供するウェブサイトNEO Guideによると、2018年8月現在すでに12のNEP-5トークンが存在し、20のICOが開催中または今後予定されているという。一方、すでにイーサリアムベースのERC-20トークンは玉石混交とはいえ109,450も存在する。これまでのところICOはイーサリアムの独壇場で、当面この状況が続くことが予想されるが、合意形成アルゴリズムの変更などでイーサリアムに混乱が生じればNEOが追い上げる可能性もあるだろう。

また、NEOの周辺環境として、中国の仮想通貨規制についても注視しておく必要がある。中国ではICOや取引所への規制が強化され、関連報道による相場の乱高下にとどまらず、世界最大の取引所Binanceの海外移転などもみられる。中国発のプロジェクトとはいえ、政府との関係次第によっては安泰とは言えないのが現状だ。このような状況も考慮しつつ中国版イーサリアム「NEO」の今後に注目したい。

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