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医療業務を変える!超効率化を目指すブロックチェーン

医療業務を変える!超効率化を目指すブロックチェーン

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2018/07/31

(写真=Panchenko Vladimir/Shutterstock.com)

多くの無駄が存在し、コストがかかるとされてきた医療業務が、人工知能(AI)やブロックチェーンの登場によって少しずつ変わってきている。今回は数ある医療業務の中でも、「医療データの共有」に焦点を当て、ブロックチェーン活用の可能性について考えてみたい。

ブロックチェーンで「医療データの共有を容易に」

ここでいう医療データとは、たとえば患者の病歴や治療歴などを指す。こうした医療データは従来、病院ごとに管理していた。各病院はさまざまなベンダー(業者)のシステムを利用していたため、医療機関同士で情報共有するのは難しかった。当然、複数の医療機関で患者のIDを共有しているわけでもない。

実は米国では従来から、電子カルテ(EHR:Electronic Health Record)を活用し、共有化しようと検討が進められてきた。紙のカルテが発生させる業務をEHRによって効率化し、医療データのデジタル化、標準化やサービスの質を向上させると期待していたのである。

こうした中で、医療データの保護と複数の病院でのデータ共有にブロックチェーンを使おうという動きが生まれている。

動き出した「医療×ブロックチェーン」の取り組み

マサチューセッツ工科大学が、ボストンのベス・イスラエル・ディーコネス医療センターと共同でプロトタイプを開発した電子カルテ「MedRec(メドレック)」には、ブロックチェーン技術が活用されている。これは改ざん不能な医療データを患者に提供しつつ、医療データへのアクセスを容易にするものだ。

またIBMは2017年から、米食品医薬品局(FDA)と電子カルテや臨床試験の結果をブロックチェーンで管理するプロジェクトに取り組んでいる。IBMは2015年4月から既に、医療データ管理システム「IBM Watson Health」を運用していた。このシステムは膨大な量の個人の医療データを共有可能な形で保存し、医師、研究者、保険会社の業務をサポートするものだ。こうした取り組みにより、IBM Watson Healthはより詳細な患者のデータや起こりうる症状を医療関係者に知らせることができるだろう。

IT国家として知られるエストニアでは、患者一人ひとりが自分の電子カルテを参照できる。電子カルテはIDカードを用いてアクセス可能で、個人の医療データが安全に保たれている。このシステムでは、KSIブロックチェーンと呼ばれる技術を使用してデータを保存し、データ改ざんのリスクを軽減している。KSIとはKeyless Signature Infrastructure(キーレス署名基盤)の略だ。また、電子カルテのシステムを用いれば、医師が患者の医療記録に簡単にアクセスできるだけでなく、X線など画像ファイルの検査結果を遠隔地から読み取ることもできる。

ブロックチェーンを用いた医療業務の効率化を目的に、ICO(Initial Coin Offering)に取り組んでいる事例もある。2018年4月に公開された「LIFEX」は、ブロックチェーンとAIの技術を融合させ、増大する医療費問題を解決しようとしている。

ホワイトペーパーによると、LIFEX BC Networkというシステムに医療データなどの情報を記録することで、複数の病院が医療データを安全かつリアルタイムに共有できるようになる。さらに共有されたデータをAIが分析し、特定の医薬品の開発だけでなく、一人ひとりに適した治療法を見つけられるといった期待ができるという。

なおLIFEXはシンガポールの医療系ベンチャーで、再生医療や遺伝子治療の開発に取り組むアイロムグループや「OKWAVE」を運営するオウケイウェイヴとの提携も発表している。

期待が高まる医療データの共有化 一方でリスクも

ブロックチェーンを活用することで、医療業務が効率化、最適化されれば、医療従事者の業務負担は減らせるだろう。患者の情報管理や事務作業ではなく、診療や治療行為に専念できる時間が増やせるはずだ。医療現場の無駄が減れば、医療費も削減できる。患者のみならず社会全体にとってメリットとなる。

一方で、医療データをブロックチェーンに記録することにはリスクもある。医療データは個人情報だ。データにアクセスできる関係者が、機密性の高い医療情報を何らかの方法で悪用しようとしないとも限らない。またブロックチェーンは記録された情報は基本的に追跡可能なため、公開したくない情報まで公開されてしまう可能性もある。

医療現場の効率化にブロックチェーンが大きく寄与できることは間違いないだろうが、こうしたリスクも存在する。メリットとデメリット、コストとベネフィットを天秤にかけながら、医療データをどこまで、どういった形で共有するかを明確にし、基準や規制をどうするのか、技術開発と同時に議論も進める必要がある。

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