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認証のあり方を変えるブロックチェーンを活用したデジタルIDの現状と将来

認証のあり方を変えるブロックチェーンを活用したデジタルIDの現状と将来

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2018/07/25

(写真=Panchenko Vladimir /Shutterstock.com)

11億人。これは世界の国・地域で、公的な証明書もしくはIDを持たない人の数だ。本人確認書類がなく、公共サービスを受けられないケースもある。それを解決する手段の一つとして「デジタルID」が注目を集めている。特に、スマートフォンなどのデバイス普及が進んでいる国・地域では、普及に寄せられる期待がことさら大きい。

そんな中、デジタルIDの普及にブロックチェーンを活用しようとする動きがある。デジタルIDが広がれば金融、医療などのサービスを受けられる人が増えると期待される。具体的にはどのように実現されるのだろうか。ここではその可能性と課題について考えてみたい。

デジタルIDの必要性とは

そもそもなぜデジタルIDが必要なのか。日本に住む多くの人は、当たり前のように運転免許証や健康保険証、マイナンバーカードなど本人を確認するものを保有している。本人確認書類の発行はそう難しいことではなく、この本人確認書類があるからこそ医療や金融などのサービスが容易に受けられる仕組みが成り立っているのだ。

しかし世界を見ると、日本のように本人確認書類の取得がしやすい国・地域ばかりではない。紛争が続いていたり政治状況が不安定だったりする国・地域の中には、住民に対して本人を確認する手段を提供できていないところもある。

この世界的な課題に対して、国連も動き始めている。2017年6月には、国連本部で「ID2020サミット」が開催され、官民共同でデジタルIDを発行するために取り組むことが発表された。そして、ID発行に向けて重要な役割を果たすのがブロックチェーンなのだ。

デジタルIDと親和性が高いブロックチェーン

ID2020には、民間からアクセンチュアとマイクロソフトなどが参画しており、両社は共同でID2020サミットで、デジタルIDの提供を可能にするブロックチェーンソリューションのプロトタイプ(原型)を発表している。

コンサルティング会社のアクセンチュアは、世界各国に入国管理システムを提供している。もともと個人の指紋や目の虹彩などの生体情報を識別する技術を有しており、この分野では世界有数の企業だ。そして、この情報を改ざん不能な形で保存するブロックチェーンの基盤を提供するのがマイクロソフトだ。マイクロソフトは自社のパブリッククラウドMicrosoft Azure上でブロックチェーンを稼働させることができる。同社はMicrosoft AzureのBaaS(Blockchain as a Service)モデルを展開し、安定したクラウド基盤でデジタルIDの運用を可能にしている。

デジタルIDを発行するためのソリューションにブロックチェーンが採用されているのは、ブロックチェーンが非中央集権データベースといえるだろう。国や政府などの中央機関ではなく、事前に承認された管理者のみがシステムの維持管理に関わるわけだ。デジタルIDは個人情報そのもの。アクセンチュアのリリースによれば、個人情報へのアクセス、開示・共有のための権限設定は、その個人情報にアクセスが許された個人の承認を条件に付与できるように設計されている。

デジタルIDを提供しようという動きは他にもある。イーサリアムの普及や企業との共同研究を手がけるアメリカ・ConsenSys社が展開する「uPort」だ。uPortはデジタルIDの普及のためにイーサリアムのブロックチェーンを利用したデジタルIDサービス。オープンソースソフトウェアプロジェクトであり、個人はもちろん、企業も管理できるようなデジタルIDサービスを提供しようという点が特徴だ。

デジタルID普及に向けた課題とは

社会課題を解決すべく、デジタルIDの普及は今後も進むだろう。国連は、持続可能な開発目標(SDGs)に沿って、2030年までに安定的かつ永続的に稼働するデジタルIDの普及を目指している。デジタルIDが世の中に普及し、当たり前のように活用されるようになれば、金融サービスを受けられる人の数も増える可能性がある。お金が今以上に円滑に流通すれば、経済活動はますます活発になり、生活水準も上がることが期待される。

一方で、デジタルIDの普及にも課題はある。デジタルIDへのアクセスが許された人間の手で、不当に個人情報にアクセスされてしまう可能性も否定できない。デジタルIDを推進するのであれば、運用ルールや違反に対する罰則などの整備も今後強く求められるのではないだろうか。

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