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GAFAも狙う ヘルスケア×IoT市場

GAFAも狙う ヘルスケア×IoT市場

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2018/06/28

(写真=metamorworks/Shutterstock.com)

人々が健康維持や治療にかける費用は、どれほどの規模なのだろうか。米大手コンサルティング会社のデロイトによると、その費用は平均してどの国でもGDPの約1/10を占めており、世界全体のヘルスケアコストは2015年には7兆ドル(約770兆円)に達したと推計されている。

これほど大きなヘルスケア市場に今、IT業界の巨人GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)が触手を伸ばしている。今回はGAFAのヘルスケア市場への参入状況を把握し、特にAppleの取り組みに焦点を当てる。GAFAがヘルスケア市場に参入する影響について考えていきたい。

フィンテックだけではない、GAFAのヘルステック進出

GAFAはそれぞれの方法でヘルスケア市場に参入している。たとえば、Googleの親会社AlphabetはAIを扱う子会社DeepMind Healthなどと協力し、入院患者の死亡確率を従来よりも精度高く予測できるシステムを開発している。特定の病気の検知や、死亡率を予測することで患者に対してより適切な治療方針を提示することができ、病院側としては滞在期間を把握することができる為、病院経営に係る1つのデータとして活用できるだろう。

Appleの場合は、自社のデバイスであるiPhoneやApple Watchを起点として、アプリ上で健康管理ができる仕組みを提供している。また、病院から医療データを連携してもらい、ヘルスケアのデータをさらに拡充しようとしている。

Amazonの場合は、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が会長を務める投資会社バークシャー・ハザウェイ、および米金融大手JPモルガン・チェースと3社合弁でヘルスケア企業を立ち上げ、自社の従業員の医療費を減らし、慢性疾患に対応するという。JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは株主に書簡を送り、ビッグデータの技術などを活用し、個々の疾患に応じた治療を従業員に受けさせて治療を効率化し、治療費を抑える取り組みを進めるとした。そして、一連の取り組みを通して、米国における医療費問題を解決するために注力すると説明した。

Appleが深く入り込むヘルスケア×IoT

AppleはApple Watchを活用し、ヘルスケア市場で成果を出している。たとえば、Cardiogram社が提供する「Cardiogram」で収集したデータを、Cardiogram社の「Deep Heart」で解析したところ、85%の精度で糖尿病であると診断できた。

また、糖尿病の判定のもとになる血糖値の測定装置は、近年、めざましく進歩している。たとえば、イスラエルのベンチャー企業Gluco Vistaは、赤外線で血糖値を測定するウェアラブルデバイスを開発している。ウェアラブルデバイスが血中のグルコースが放つ信号をとらえ、それを独自のアルゴリズムで解析する。これは、米国のFDA(Food and Drug Administration、アメリカ食品医薬品局)のガイドラインに沿った高い精度を実現した。もし、体内に器具を通さなくても血糖値を測定できる技術をAppleのデバイス・アプリで本格活用できるようになれば、さらに高品質なサービスを提供することが可能になるだろう。

Appleのプラットフォームを活用したサービスの拡大は進んでいる。たとえば、米国内の一部の病院に通院する患者は、iOS11.3によりアップデートされたiPhoneの「ヘルスケア」アプリを使えば、アレルギーや健康状況、バイタルサイン、受けた予防接種の種類、現在投与されている薬の種類、検査結果などを、自分のiOSデバイスでチェックできるようになった。

またApple Watchの「GymKit」アプリは、ジムのトレーニングマシンと連動して、心拍数や消費カロリーなどのデータをApple Watch上で表示、記録できる。Appleはデバイスが持つ強みをいかして、着々とヘルスケア市場の裾野を広げている。

GAFAがヘルスケア市場に参入するインパクトとは

アンゾフの成長マトリックスで考えると、GAFAは主に(1)既存製品を新たな市場であるヘルスケア市場に投入する(市場開拓)、(2)新規製品を新規市場に投入する(多角化)、の2つの戦略を取っていると考えることができる。

まずは(1)について考えよう。Appleの場合は、既存製品であるiPhoneやApple Watchを活用して、ヘルスケア市場で事業を拡大しようとしている。また、Alphabet(Google)もAppleと同様、既存のウェアラブルデバイス(Android Wear)でヘルスケア×IoT市場を開拓している。デバイス以外でも、Googleはクラウド技術を活用して、組織が持つヘルスケア分野のデータを管理し、機械学習で分析できるように支援するCloud Healthcare APIを公開した。APIは2018年3月に公開したばかりだが、Googleは今後1年をかけて普及に力を入れる予定だ。

さらに、Alphabetは米Cityblock Health(シティブロックヘルス)というヘルスケア企業を近年立ち上げた。これは、(2)の新規市場において、新規製品を新規市場に投入する際に見られる戦略である。Cityblock Healthが提供するサービスを活用すれば、今まで以上に個人に最適化されたヘルスケア情報をモバイル端末上で確認できるようになる。

(1)、(2)いずれの成長戦略を取るにせよ、GAFAは今までに確立してきた強力なプラットフォーム、デバイスが武器になる。すでにGAFAは膨大なユーザー情報を持つ。その情報とヘルスケア関連のデータを組み合わせれば、ユーザーに適した情報を最適なタイミングで提供するサービスが構築できるだろう。

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