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増え続けるコワーキングスペースはオープンイノベーション創出のハブになりうるのか?

増え続けるコワーキングスペースはオープンイノベーション創出のハブになりうるのか?

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2018/06/01

(写真=Photographee.eu/Shutterstock.com)

街を歩いているとよく目にするようになったコワーキングスペース。フリーランスや社内にとどまらない自由な働き方を選ぶ人が増えるなか、そのニーズは今後ますます高まることが予想される。

そのような中、シェアオフィスやコワーキングスペースをただの仕事場にするのではなく、コミュニティとして機能させてイノベーションを起こそうとする企業もある。たとえば、2018年2月に日本で開放された「WeWork」は、クリエイティビティを発揮しやすい空間を整え、社員がコミュニティマネージャーとしてユーザー同士をつなげてシナジー効果を生み出そうとしている。

このようなコワーキングスペースは今後、働き方の変化に伴うイノベーションの「ハブ」になるのだろうか。

増え続けるフリーランス 働き方の変化はコワーキングスペースにも影響が

フリーランスの増加は、統計情報からも明らかになっている。クラウドソーシングサービスを展開しているランサーズ株式会社が2017年3月にフリーランス実態調査を行った結果、副業に取り組んでいる人や主婦らも含めた広義のフリーランスは、2017年に1,122万人に達すると試算した。2016年の1,064万人と比べると17%増加していることになる。

フリーランスの増加が日本より進んでいるのが米国だ。日本とも比較し、より自由に副業ができることや、キャリアアップ・転職に積極的といった文化の違いもあるが、米国のフリーランスによる団体Freelancers Unionが発表した「Freelancing in America 2017」によると、米国の総人口は日本のおよそ2.6倍だが、フリーランスの数はおよそ5倍の5,700万人ほどいると推定されている。さらに、あと2年ほどすると、北米では働き手の50%がフリーランスになるのではないかといわれている。フリーランスという働き方が広まることで、社会に変化が生まれることが予想される。

大きな変化の一つは、フリーランスの人たちが働く場所だ。フリーランスの場合、特定のオフィスで働く制約がない場合が多い。最近、日本でもシェアオフィスやコワーキングスペースが増えつつあるのはフリーランスの増加や働き方の変化が理由だろう。今後、働き方の変化に伴って、コワーキングスペースの存在感は高まってくると思われる。

このような時流に乗り、コワーキングスペースをコミュニティ創出の場として大きく発展させようという企業がWeWorkだ。

世界中でコワーキングスペースを展開するユニコーン企業・WeWork

WeWorkは米国・ニューヨークが発祥のコワーキングスペースを運営する企業だ。現在は、世界20ヵ国以上、約160ヵ所の拠点を有している。会員数は2017年時点で約18万人といわれており、創業わずか7年ほどで評価総額は約2兆円に及んだ。Airbnb、Uberなどと並んでユニコーン企業の一つとして注目されている。

WeWorkとほかのコワーキングスペースとの違いは大きく分けて3つある。

1つめが、徹底したユーザビリティの追求にある。クリエイティビティをかき立てるために内装にこだわり、自社で開発したビル設計・施工ソフトを駆使して、ユーザーが快適に過ごせるよう家具の配置や人々の動線を最適化している。WeWorkが自社の本質を「テクノロジー企業」という背景には、このような理由がある。

2つめは、WeWorkのメンバーになると、登録した拠点以外にあるWeWorkの施設を利用できるということだ。ホームページには、ポイントを利用することで「実質的に世界中のすべてのWeWorkロケーションで会議室とワークスペースの予約に使える」とあり、世界中、どこに身を置いてもWeWorkで仕事をすることができるだろう。

そして、3つめは「コミュニティ」の存在があげられる。各拠点にいる「コミュニティマネージャー」がメンバー同士の交流を図ろうと、ほぼ毎日のようにイベントを企画している。これにより、ユーザー同士のインタラクションを発生させようとしているのだ。人間のコミュニティに対する帰属本能に働きかけるこの取り組みもWeWork独特のもので、ユーザーが広がっている理由の一つかもしれない。

また、WeWorkの拠点はさらに広がりつつある。今後、コミュニティもよりグローバルで広がっていくことになるだろう。ただの働くだけではなく、WeWorkというコミュニティを中心とした新たなライフスタイルをつくる。そんなことが将来、実現するかもしれない。

コワーキングスペースは「イノベーション」の発信源になるか?

コワーキング(Co-Working)のCoは「共同」を意味し、従来の執務室や事務所、会議室等のスペースを共有しながらそれぞれの仕事を行う働き方のことで、サンフランシスコが発祥といわれている。今回事例として挙げたWeWorkのように、フリーランスで仕事をする人やスタートアップ企業、大企業など様々なバックグラウンドや価値観を持つ人々がコミュニティを形成し共同することで、思わぬアイデアが創造されていくのではないだろうか。

働き方改革でも副業が推進されるようになり、フリーランスの増加を始め日本における働き方や仕事観は大きく変わりつつある。また、従来一つの企業で成立っていたオフィススペースではなく、多様性のあるコワーキングスペースで仕事を行うことでどのようなイノベーションが生まれ、発信されていくのか。一人ひとりの仕事のスキルだけでなく、スキルを活かしどのように掛け合わせていくかが、今後のイノベーションや日本に求められていることかもしれない。

執筆者:山田雄一朗

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