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開発し発見と検証を重ねていくAI技術活用プロジェクト「MUFG go」に秘められた狙いとは

開発し発見と検証を重ねていくAI技術活用プロジェクト「MUFG go」に秘められた狙いとは

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2018/05/30

AIの進化やハードウェアの性能向上を受けて、画像認識技術の実用化に向けた動きが活発化している。画像認識技術を用いて新たなユーザーエクスペリエンス(以下、UX)を創出すれば、新たなサービスが展開されるとの期待が高まっており、この流れは金融サービスにおいても求められている。

そうした中、株式会社三菱UFJ銀行(以下、三菱UFJ銀行)では、画像認識技術を活用した新サービスの創出に向けて検証を進めている。三菱UFJ銀行は技術検証プロジェクトの一環としてレジを通らなくても決済できるシステム「MUFG go」を開発した。そこで、今回はその取り組みについて、三菱UFJ銀行デジタル企画部の岩田廉平氏、池内和訓氏、佐藤宏俊氏にインタビューした。

MUFG goで何ができるのか

技術検証のために開発されたMUFG go。このシステムで店舗はどのように変化するのか、簡単に紹介しよう。

MUFG goはMUFGコインで決済することを前提としている。利用客はスマートフォンにMUFGコインのアプリをインストールし、MUFG goに登録する。

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アプリに登録されているQRコードをかざす

次にMUFG goに顔写真を登録する。ユーザーの顔を正面、左右の角度から撮影し、プライバシーポリシーなどの規約に同意すれば登録は完了する。

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タブレットで顔写真を登録する

こうすると、MUFGコインのアカウント情報がMUFG goに反映される。

ここまで完了すればMUFG goで買い物することが可能になる。たとえば、缶ジュースを購入する際は、商品を所定の位置から持ち出すと、持ち出した人物が誰か画像認識技術で自動判別する。

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ユーザーと商品を自動で認識する

購入商品や決済情報はMUFG goのスマートフォンアプリに反映される。このように従来の購買行動とは全く異なるUXが、MUFG goを用いれば実現するのだ。

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決済情報はアプリからも確認できる

実際に体験した人からはどんな反応が得られているのだろうか。佐藤氏は「基本的には良い反応が多いですね。ただ、フローが分かりづらいという率直な意見をいただくこともあります。どのようなUXがユーザーにとって良いものか考えるきっかけになります」と語る。

MUFG goの目的は最新テクノロジーの検証

MUFG goに用いている技術について佐藤氏は次のように説明する。「MUFG goでは、主に画像認識技術の精度検証を行っています。顔認証ではAmazon AWSのAmazon Rekognition、商品の判別はオープンソースの画像認識エンジンをそれぞれ使用しており、MUFG goを通じて判別結果を記録し、分析しています」。

また、システムの設計・開発は、池内氏が担当している。「MUFG goの構成は大きく4つに分けることができます。1つ目はスマートフォンにインストールするMUFG goのアプリケーション、2つ目はお客様の顔や、店内で販売している商品が写っているか認識するエッジと呼ばれるローカル環境で動作しているGPUマシン、3つ目は顧客と商品を紐づけて認識するAWS側の認証システム、そして4つ目はMUFGコインのAPIです。設計する際は、それぞれの構成にどのような役割を持たせるか慎重に検討しました。たとえば、エッジが行っている処理はクラウドに任せることもできますが、今回は通信の負荷を軽減するためにローカルで実行しています」

開発したからこそ分かる!新たなテクノロジーを活用する上で必要なこととは

MUFG goの運用を開始してから約1週間(取材時点)。実際に技術検証を行って、どのような結果を得ているのだろうか。池内氏は「顔認識の精度は想像以上に高いです。ただ、一部で誤認識も発生しています。もし金融サービスで実用する場合には、用途に応じてセンサーや動画による認証も組み合わせて、さらに精度を高める必要があるでしょう」と語る。

このようなトライアンドエラーを繰り返しながら、分かってきたことは他にもあると池内氏は説明する。「MUFG goでは、画像認識エンジンの検証だけでなく、それを稼働させるハードウェアの検証も進めています。今回はエヌビディアのGPUを搭載したJetson TX2で検証していますが、実際にどのようなハードウェアが最適なのか、価格や性能などを踏まえて調達する難しさがあることが見えてきました。ファシリティ(設備面)では、電源の設置やケーブルをどのように敷設するかも事前に考えておくべき項目だと認識できました」

検討すべき項目はこれだけではない。佐藤氏は「登録の際に撮影した顔画像の取扱いも、個人情報の観点などを踏まえながら検討を重ねました。クラウドで保存するのが法律や当行の規約上、問題があるなら、ローカルで保存するのが適切です。新たな技術を金融サービスに取り入れるためにはどのような項目をチェックすればいいか、MUFG goの開発を通じたノウハウの共有と蓄積を進めています」。

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今までの金融機関になかったサービスを生み出すために

まずはプロダクトを開発し検証することで、問題点やチェック項目を洗い出し、次の開発に繋げていくというアジャイル型の取り組みは、これまでの金融機関にはほとんどなかったものだ。このような取り組みを進めるのは、MUFGが「時代の流れに合わせて変化する」という強い覚悟があることの現れだ。佐藤氏も同調している。「従来の銀行業務の形態だけでは、時代の流れと共に変化するお客さまニーズの全てに対応しきれなくなってきました。その状況を踏まえ、新たな金融サービスを生み出し、ビジネスを構築する必要があります。そのためにも、新たなUXを生み出せるよう検証を進めます」。

また、池内氏は「デジタル企画部では、ITに精通した人材と金融のスペシャリストとをコラボレーションさせ、新たなプロダクトや金融サービスの創出に取り組んでいます。MUFG goはその取り組みの一つです。」と語る。

新たなテクノロジーの誕生に伴い、社会はこれから目まぐるしく変化する。これをチャンスに変えるためには、そのテクノロジーへの理解を深め、実用化に必要な要素を把握することが重要ではないだろうか。画期的な新サービスを生み出す三菱UFJ銀行の取り組みはこれからも続く。

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