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未来の生活を変える新製品はここから生まれる ものづくりベンチャーが資金調達に成功するために

未来の生活を変える新製品はここから生まれる ものづくりベンチャーが資金調達に成功するために

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2018/05/15

(写真=Flexey/Shutterstock.com)

自動運転車、ロボット、IoT製品など、新たな製品へのニーズの高まりに伴い、ものづくりベンチャーの成長が期待されている。実際、中国の深圳(しんせん)を中心に多くのものづくりベンチャーが誕生しており、日本でも徐々にその萌芽が見られる。

しかし、ものづくりベンチャーが量産するに当たって生産設備などを準備するには多額の資金が必要で、資金調達に難航してビジネスが頓挫してしまうこともある。ここでは、ものづくりベンチャーが資金調達するうえで、どのようなポイントに気をつければいいのか考察してみたい。

ものづくりベンチャーの資金調達の事例

世界のものづくりベンチャーに対する出資金額ならびに件数(ラウンド数)は伸び続けている。米国のベンチャーキャピタル・BOLTのまとめによると、2017年上半期の出資金額は前年同期比で約1.5倍に上ったことからしても、世界的に期待の高さがうかがえる。

世界に大きな影響を与えているものづくりベンチャー企業もすでに多数存在している。VRデバイスOculus Riftを開発した米国のOculusや、ドローンの製造・販売で世界最大手の地位に上り詰めた中国のDJIなどはその典型といえるだろう。そして日本でも、ものづくりベンチャーの成功例が見られるようになってきた。

その例として、ヒューマノイドロボットを開発するGROOVE Xがあげられる。2017年12月に発表したプレスリリースによると、同社は未来創生ファンドと株式会社産業革新機構(以下、INCJ)を筆頭引受先とし、最大64.5億円の第三者割当増資に関する契約を締結した。

GROOVE Xは、2016年1月と9月にシードラウンドで総額14.2億円を調達。今回の資金調達はシリーズAラウンドで43.5億円を調達した。今後は、シリーズBラウンドでINCJから上限21億円の追加出資を受ける予定だ。

このように、日本のものづくりベンチャーにも徐々に出資する動きが始まっている。

ものづくりベンチャーとSaaSベンチャーにおける資金調達の違いとは

一方で、ものづくりベンチャーにとって、資金調達のハードルがいまだに高いのも事実だ。実際、資金調達が失敗に終わるケースも散見される。いったいどのような点がネックとなってしまうのか。ここでは、SaaSベンチャーと比較して考えてみたい。

まずあげられるのが、多額の資金調達が必要になる点だ。SaaSベンチャーに比べてものづくりベンチャーは、実際にモノを量産するとなると材料費や生産設備への投資、生産を他社に委託する場合はその費用など多額の資金が必要となる。例えばロボットを開発する場合は最低でも億単位の費用がかかるともいわれている。

また、製品を開発しはじめてから実際に市場で販売されるまでの期間が長いこともネックとなる。SaaSベンチャーの場合、早ければ半年ほどでプロダクトをリリースできるが、ハードウェア等の場合はそうはいかない。開発や設計、試作品を用いた検証などを何度も繰り返すため、量産するまで時間がかかる。試作品をつくる工程は3Dプリンタなどで短縮化できる可能性もあるが、それが使えないとなると金型づくりとその製造を依頼することになる。そうなると、時間だけでなく必要な金銭的コストも負担になる。

時間がかかり、当初の予定どおりに進まないと、追加で資金が必要となる可能性もある。そうなると、シードフェーズなど初期に投資した投資家たちが持つ株式がダイリューション(1株あたりの価値が希薄化)してしまう。

SaaSベンチャーと異なるリスクが存在するため、ものづくりベンチャーへの投資はハードルが高くなってしまう。

ものづくりベンチャーが資金調達を成功させるために

ものづくりベンチャーが今後、日本でさらに誕生するために、どのようなことが求められるか。そこで参考にしたいのが、DJIなど世界的なものづくりベンチャーが次々と誕生している深圳だ。

もともと中国の中で経済特区に指定されていた深圳には、古くから海外企業の製造拠点が集まり、産業集積が進んでいるため、ものづくりのノウハウは古くから集約されていた。また、HAXのようなものづくりベンチャーを支援するアクセラレータも多数存在する。政府の起業支援も手厚く、深圳ではものづくりベンチャーを生み出すエコシステムができあがっている。

深圳を完全に真似することは難しくても、日本のものづくりに関するノウハウは、世界でも有数のものといえる。また、最近では製造業系のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)や社内ベンチャーも誕生しており、新たな活動も進んでいる。

たとえば、センサーの製造・販売を行っているオムロンのCVC・オムロンベンチャーズは、資金の提供だけでなく自社のセンシング技術を提供して、技術的な側面からもスタートアップを支援している。

また、ものづくりベンチャーを支援するスタートアップ・アクセラレータも日本で登場している。京都にあるメイカーズ・ブートキャンプは、ものづくりベンチャーに対して資金だけでなく、地場の製造業のネットワークを活かした量産試作の支援などを行っている。

上記のように、日本の製造業はそれぞれが持つノウハウを組み合わせると、日本独自のものづくりベンチャーを育成するエコシステムを構築できる可能性を秘めている。そうすれば、開発や量産に伴うリスクは低減し、資金面でも余裕が持てるようになるだろう。まだ見ぬ未来の新製品の開発に向けて、種をまくべきは今だ。日本発のものづくりベンチャーが世界を席巻する日を楽しみに待ちたい。

執筆者:山田 雄一朗

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