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AIスピーカーで画期的な金融サービスを MUFGが「Amazon Alexa」に対応したサービスを開始

AIスピーカーで画期的な金融サービスを MUFGが「Amazon Alexa」に対応したサービスを開始

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2018/01/29

「Amazon Alexa」に対応したサービスを開始した三菱UFJフィナンシャル・グループの三菱東京UFJ銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコス、カブドットコム証券、じぶん銀行の皆様。下段中央左の女性が持っているのが「Amazon Echo」。

2018年の大注目のデバイスといわれているAIスピーカー。2017年に、日本向け製品の販売が開始され、AIスピーカーは黎明期に突入しようとしている。特に、アメリカのAIスピーカー市場で最大シェアを誇るAmazon Alexaは、提供するサービス=スキルの多さを売りに日本でも展開を行っている。

そんな中、三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)はグループ各社の力を結集して、「Amazon Alexa」に対応したサービスの提供を開始した。金融機関がグループ全体でサービスを提供するのは、世界的に見ても先進的なケースだ。「Amazon Echo」に話しかけるだけで利用できるというサービスとは一体、どのようなものなのか。今回は、サービスを提供している5社、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコス、カブドットコム証券、じぶん銀行にインタビューを行った。

スキルで一番利用されているのは、意外なあのサービス

まずは、グループ各社でどのようなスキルを提供しているか紹介しよう。グループ各社の中で、一番多くのサービスを提供しているのが、カブドットコム証券だ。「株価予測、最新ニュース、株ツイッター、CM音楽再生の4つのサービスを提供しています」と語る。この中でも、異彩を放っているのが“CM音楽再生”だ。意外な反響を呼び、「一番利用されているのが、実はCM音楽の再生機能なんですよ」という。音楽がキラーコンテンツとなっているAIスピーカーの特色が表れているといえるかもしれない。

じぶん銀行は、「AI外貨予測サービスとスポーツくじBIGの販売情報を提供しています」と語る。取り扱いのある8通貨のうち5通貨はAIによる予測を聞くことができる。なお、用いられているAIエンジンは、第1期MUFG Digital アクセラレータプログラムに参加したAlpacaのものだ。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、株価照会や投資信託の基準価格などの投資情報の提供を行っているが、ユーザーがより容易に情報取得できるように工夫している。「俗称や愛称、企業の製品名でも、企業の株価情報が得られる」というものだ。たとえば、「ディズニーランド」や「ミッキー」とAIスピーカーに話しかけると、「オリエンタルランド」の株価を得られる。

三菱東京UFJ銀行は口座残高照会と最新5件分の入出金明細、三菱UFJニコスはクレジットカードの請求情報やポイント残高の情報を提供している。

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デモンストレーションする各社。「グループの中で一番多くのサービスを提供している」と語るのは、カブドットコム証券(写真内、左から2番目と3番目)。一方、じぶん銀行は第1期MUFG Digital アクセラレータプログラムに参加したAlpacaと開発したAI外貨予測を提供する(写真内、右から1番目と2番目)。

スキル開発で直面した、AIスピーカー特有の課題とは

どんな開発でも、その過程では予期せぬ問題に直面するものだが、スキルを開発する上でどのような点に苦労したのだろうか。まずあがったのが、「ボイスUI(ユーザーインターフェース)」の問題だ。

三菱東京UFJ銀行は、「お客様は、我々の銀行を、三菱銀行やUFJさんなどさまざまな呼び方をされます。それを踏まえて、Alexaでサービスを起動させる為の呼び出し名(=スキルを立ち上げる為の合言葉)をどうすべきなのかを考えました。その呼び出し名は声に出しやすいかという点だけでなく、そこから会社を想起してもらえるかという点も重要だと思います」と答える。AIスピーカーのインターフェースは、ユーザーの“声”になる。声ということは、肉体的なハンディキャップがある人でも、画面やキーボードを操作することなく情報を入力・入手できるのが大きな魅力だが、発音やイントネーション等の個人差は、今後スキルを開発する上で大きなテーマになる。更には、発話のしやすさ、長さのみならず、サービスと会社を結び付ける為の適切な呼び出し名は何か等、音声ならではの課題も多い。

また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、最新のテクノロジーを駆使してサービスを提供するにあたり、開発期間との戦いもあったという。2017年7月はじめから開発を開始して、わずか3ヵ月でスキルを完成させたというタイトなスケジュールだった。「期間は短かったのですが、スキルで利用する音声のバックデータの蓄積があったのは大きかったです。先ほど紹介した愛称や俗称で株価を照会できるサービスも、電話の問い合わせサービスで展開していました。スキルを提供する上で、このようなバックデータがあることは重要だと思います」と語る。

CM音楽の再生をサービス展開してユニークさを打ち出したカブドットコム証券はというと、「本当はサービスのアイデアはもっとありました。その中でも、現在のAIスピーカーの機能などを踏まえて、今回の4つのサービスをご提供しています」と答える。

さらにスキルを開発する上で、MUFGとしてこだわったことは、各社が提供するサービスが被らないように調整したことだ。スキルの開発を進めるため、各社で集まってミーティングを数度実施。メールでは頻繁にやりとりを行っていたという。また、Amazon Echoに搭載されるAIエンジン「Amazon Alexa」のアップデートに対応するため、リリース直前まで開発は続けられた。

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わずか3ヵ月という短い開発期間でサービスを提供できたのは、音声バックデータの蓄積があったからと語る三菱UFJモルガン・スタンレー証券(写真内、右2名)。

「声紋認証」「Amazon Echo Showとの連携」スキルを活用したサービスはまだまだ広がる

スキルの提供について、どのような可能性を感じるか。今後のAmazon Echoの機能拡張を見据えて、展望を語ってもらった。その中でも、印象的だったのが「声紋認証」だ。

三菱UFJニコスは「スキルの活用について、今後クレジットカード決済での利用まで想定しています。たとえば、店舗で決済するときに、今は暗証番号の入力や署名を行っていますが、これを仮に利用者の“声”で認証できるようになれば、より利便性が高まります」と展望を話す。将来、私たちはクレジットカードの本人認証を“声”で行うのが当たり前になっているかもしれない。

また、じぶん銀行は、アメリカで展開されている「Amazon Echo Show」との連携を視野に入れている。「totoのような情報は、声でだいたいの情報をつかめればいいかと思いますが、為替情報や口座情報などは正確な数字を知りたいというニーズがあるはずです。そのときに、ディスプレイと連携して情報が確認できるようになると、利便性が向上するのではないでしょうか」と語る。日本でAmazon Echo Showが展開されたときには、じぶん銀行のサービスはさらに拡張することだろう。

AIスピーカーは、これから機能拡張が進むことが予想される。それに伴って今後、より画期的な金融サービスが生まれるかもしれない。

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Amazon Echo及びAmazon Alexaの機能拡張が進むことで、各社のサービスも一層、拡張するだろう。その可能性について語る三菱東京UFJ銀行(写真内、左)。

可能性はまだまだ広がる、グループ各社の今後のサービス

最後に、今回インタビューに参加していただいた企業に、将来のサービス展開についてうかがった。

・三菱東京UFJ銀行
「行内では、振込機能を実装したいなど要望はありますが、お金を動かすとなるとハードルは高いでしょう。ですから、今の残高照会を拡張して、“賢い”残高照会サービスを提供できればと考えています。たとえば、過去の平均残高をお知らせすることや、貯金の目標値を設定し、そこへ到達しているかなどの情報をお伝えできればと考えています。音声の持つ使い勝手のよさを活かしていきたいですね」

・三菱UFJモルガン・スタンレー証券
「複数回利用されるユーザーの利便性を向上できるような取り組みができればと思います。アイデアベースの話にはなりますが、株価情報などでお気に入り登録ができると利便性が高まるのではないでしょうか。また、ホームページに記載しているような店舗情報やQ&A情報の提供も考えられますし、セキュリティ面の安全確保が前提となりますがAIスピーカーでの株式取引サービスの展開も検討できると考えています。」

・三菱UFJニコス
「請求額の照会が基本機能になりますので、まずは月1回利用してもらうことを想定しています。その上で将来、Amazon Echoに追加される通知機能を活かして、より利用しやすくしたいと考えています。そして、ゆくゆくは決済利用などにつなげていければと思います」

・カブドットコム証券
「言葉を皮切りに何かしてくれる“コンシェルジュ的な存在”にしていきたいです。声を手段の一つとして、運用状況を通知してくれたり、ディスプレイと連携して情報を表示してくれたりする、そんな“ボイスUX”を利用者にご提供できればと考えています」

・じぶん銀行
「今回は公開情報だけでしたが、来年をめどにユーザーの口座残高照会機能をリリースできればと思います。また、将来スキルが増えたときに、じぶん銀行のサービスが選んでもらえるように、通知機能などを用いてスキル側からユーザーに対してコンタクトできるようになればと考えています」

Amazon Alexaのサービスを提供するにあたり、もっともこだわっているのは、MUFGグループ一体となってサービスを提供しようという点だ。世界でも先進的なこの取り組みは、まだ始まったばかり。声による金融サービスの提供については、まだガイドラインなどもなく、手探りの状態が続いている。しかし、社会でAIスピーカーの活用が進むことで、規制やルールも整備され、より画期的なサービスを提供しやすくなるかもしれない。MUFGのスキル開発がどのように進むのか、その動向に今後も注目したい。

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