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不動産テックの衝撃 業界を動かすブロックチェーン

不動産テックの衝撃 業界を動かすブロックチェーン

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2018/01/09

(写真=Zapp2Photo/Shutterstock.com)

2017年はビットコインをはじめとする暗号通貨の飛躍の年となった。そして、暗号通貨の根幹技術といえるのがブロックチェーンであるが、ブロックチェーンはビットコインに使われるだけでなく多くの業界に大きなインパクトを与えている。その一つが不動産だ。今回は、ブロックチェーンが不動産業界に与える影響に焦点を当てる。

不動産×ブロックチェーンが業務を革新

まずは、ブロックチェーンが与える影響を2つ紹介しよう。

1.不動産情報の記録・管理の容易化
不動産売買の仲介をする場合、現在は不動産情報を収集するために複数の役所などをめぐる必要がある。また、過去の取引価格や修繕履歴などについてはそもそもデータが存在しない場合も多い。

しかし、ブロックチェーン上に不動産情報を加えていくことで、過去の取引を含めた連続的な情報をスマートフォンなどの手元にあるデバイスから一括して取得することが可能となる。また、ブロックチェーンの活用によって、中央集権的な管理が不要となり、コスト削減や登記手続きの効率化にもつながる。さらには、不動産登記システムのセキュリティが高まり、不動産取引の安全性が向上する可能性もある。

2.スマートコントラクトによる不動産取引の効率化・自動化
ブロックチェーン上のスマートコントラクトは、「コンピュータが読めるプログラムを書き、当事者双方の署名付きでブロックチェーンに登録することで、それを契約締結と見なし、法執行機関なく自動的に執行されるようにする」 というアイデアである。ブロックチェーン上で契約と執行をプログラム化し、決まった形式ができると、契約内容が自動で執行され、大幅な業務効率化につながる。

不動産取引は多くの契約プロセスを経るため、手順が非常に多い。また、紙の契約書を使用することが一般的であるため、自動化からは程遠い状況にある。しかし、スマートコントラクトの活用により、契約書を電子化できることに加え、契約に付随した資金決済や不動産登記などの業務を効率化・自動化することも可能だ。手順の大幅削減が期待されるのである。

不動産のトークン化にも活躍するブロックチェーン

ブロックチェーンにより不動産の管理や取引が容易になるだけでなく、トークン化により資金集めが変化する。現在、不動産テックの領域では、資金調達の小口化が進んでいる。クラウドファンディング大手の米Fundrise(ファンドライズ)社は、不動産の資金調達を小口化することで少額からの不動産投資を可能にした。

しかし、不動産を小口化する際には問題も存在する。現在は、不動産等の資産を購入する際には取引手数料など、さまざまな費用を仲介業者に支払うことが通常である。また最低限、払わなければならない料金が決まっているため、少額投資は利益が少なくなる可能性は高く、ある程度の資金力が無いと市場へ参加するのは難しい状況にある。たとえば、1万円しか投資できないユーザーは、1億円投資するプロのトレーダーに比べて非常に高い手数料率を強いられることになるのだ。

このような問題を解消しようとしているのがBrickBlock(ブリックブロック)だ。BrickBlockはブロックチェーン上に取引プラットフォームを構築し、不動産やETFなどの資産を管理する試みを行なっている。高度な自動化とブロックチェーン技術、スマートコントラクトの使用により、決済機関や仲介業者など多くの第三者を不要にしようとしているのだ。そしてこれにより、資産の売買に関連する手数料を従来の仲介業者と比べて大幅に下げようとしたのである。

BrickBlockは2017年10月下旬にICOを開始して資金を調達するなど、注目を集めている。また、実際にブロックチェーン上で販売される物件も着々と決まっており、2017年12月中旬にはBrickblockプラットフォームでベルリンの27ユニット、1,528平方メートルの複数階建てのアパートが販売される予定である。

さらに、今後の展開としてBrickBlockはスケーラビリティ(拡張性)を考慮し、DAG(Directed Acyclic Graph、有向非巡回グラフ)を利用した仮想通貨IOTA(アイオータ)を活用しようとしている。DAGはブロックチェーンとは異なり、ビットコインのようなブロックサイズの概念がないため、理論上は無限のトランザクション(商取引)を処理することが可能である。これにより、2020年までに32億個の資産がトークン化され、イーサリアムブロックチェーンが直面するスケーラビリティの問題を超えて、不動産などの取引をスムーズに行うことが期待されている。

不動産に関する業務部分だけでなく、資産のトークン化にまでブロックチェーンやDAGが関係することで、従来は人の手がかかっていた部分に省力化のメスを入れることができる。そして手数料等の削減により、エンドユーザーにとっても大きなメリットがもたらされるのだ。業界を動かすサービス提供が今後、期待されているのである。

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