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三菱東京UFJ銀行が可能性を拡げる、金融機関でのRPA導入による業務効率化

三菱東京UFJ銀行が可能性を拡げる、金融機関でのRPA導入による業務効率化

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2017/08/29

(写真= Mopic/Shutterstock.comm)

RPAとは、人間がおこなっている業務をロボットにより自動化するもので、「デジタルレイバー(Digital Labor)」や「仮想知的労働者」とも言われている。ルールを定義すれば、ロボットはそのとおり実行することから、人のようにオペレーションミスを起こすリスクはない。

とりわけ2016年頃から大手のコンサルティングファームも導入を手がけるようになり、折からのAI技術などの注目とも相まって、導入の機運が高まっている。一部の金融機関で導入実績も出始めており、今では数多くのベンチャー企業も参入している注目領域だ。

三菱東京UFJ銀行は、「RPA(Robotic Process Automation:ロボットによる業務自動化)」という言葉が存在しなかった3-4年前から、手作業の多い業務の自動化を検討してきた。今でこそ、金融機関をはじめ、多くの企業が「業務効率化のソリューション」としてRPAに着目しているが、注目が集まる数年前から試行錯誤を続けてきたのである。

「銀行業務には多くの手作業が残っているため、RPAは非常に親和性が高く、実際に多くの効果を発揮できている。」
RPAの活用について語るのは、三菱東京UFJ銀行の大西潤調査役だ。デジタル企画部事業開発グループで、各部門と協力して銀行内事務のデジタル化を推進する立場にある。三菱東京UFJ銀行では、昨今急激に注目を集めるこのRPAを活用し、すでに約20業務で累計2万時間の作業を削減している。

大量事務の効率化のみならず、単純作業からの開放を実現

大西調査役曰く、ロボット化に向く業務は3つのタイプがあるという。

一つは「処理件数が数百、数千という大量業務であり、扱うデータも多いもの」。
人が複数人で対応している大量事務も、RPAでは高速かつ正確に実行することができる。効果を描きやすく、多くの企業がRPAに注目している。

二つ目は、「連続したプロセスが多い業務」。
業務が連続すればするほど複雑化し、ミスが多くなる業務においても、ルール通り実行できる特徴を活かすことが出来る。「RPAを軸にEnd to Endで業務を見直すきっかけにできる」とのこと。

三つ目は、「一つ一つは負荷の高い作業ではないが、一日のうち何度も実行する必要があるもの」。
一時間に一回、専用端末から必要なデータをエクセルに転記するような業務では、作業としてはボリュームが大きいわけではないが、行員を物理的に拘束しており、マインドの面でも潜在的にかかっている負担は大きい。
「ROIを描くことが難しく、システム化できず手作業として残るこのような業務から行員を解放できることは、RPA導入の大きな効果」と大西調査役は強調した。

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RPAという方法論が登場する前から、業務自動化のもたらす価値の本質を追ってきた三菱東京UFJ銀行ならではの着眼点といえるだろう。

垂直立ち上げ、低コスト

もうひとつRPAには大きな特徴がある。
システムは少しの変更でも、莫大な費用と時間がかかってしまう。金融機関のシステムに求められる水準を満たすには、一つのシステムから別のシステムにデータを動かす、という要件に対しても数億円規模の予算が必要で1、2年は開発にかかってしまうこともある。

一方で、RPAであれば数百万円の予算で数ヶ月から作ることができ、POCの次には、すぐ本番といったペースで、垂直立ち上げの要領で導入を進めることができることが特長だ。

膨大なデータを調査するコンプライアンス部門で潜在力を発揮

三菱東京UFJ銀行はコンプライアンス部門でRPAの実用化を図っており、その効果の大きさに期待がかかっているという。例えば、さまざまなデータベースや記録にアクセスして、証跡を残さなければならない業務では、複数回のシステムへのログインや、データの移動といった手順を経なければならない。単純作業に多くの手がかかっている領域だ。

こうしたコンプライアンス部門でのRPAの実用化の推進は、銀行にとって非常にやりがいのある取り組みであるという。もともと銀行の基幹的な業務で、高い重要性を有しているだけではなく、調べなければならない情報の量も多く、熟練の技が必要とされていたからだ。

「こうした人間の判断に依存すると思われていた業務をPOCの中でルール化しロボットに任せ、実際にROIの実現が視野に入ったことは大きな成果だった。実際にPOCの過程でRPAを使ったところ、現場からは『導入前は半信半疑だったが、出来上がったものを使ってみたところ、1クリックで情報を集められ非常に有効だった』といった声も出ている」と大西調査役は語る。

コンプライアンス部門は2016年9月頃から自動化の検討を開始し、POCを終了した。すでに業務の一部に応用できることが確認されており、2017年秋からの本格的な稼働を予定しているという。POCの開始からほぼ1年間で、銀行の重要な業務での実用化にこぎつけたのだ。

POCの過程で得た感触については、専門的な業務に従事する社員の業務の6~7割を占めていた仕事を大幅に圧縮でき、こうした社員は高度な判断を要する業務にさらに集中できるようになりそうだという。

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Photo: 取り組みについて語る、三菱東京UFJ銀行 デジタル企画部 事業開発グループの大西潤氏

社内の数百の応用先候補がRPAの導入に前向きに

RPAを進めていく中で、特に大西調査役が感じるのは、関係部門の姿勢だ。 「関係部が、積極的にロボット活用のイメージを膨らませ、こういうところまでできるんじゃないか、という具体的なディスカッションを始められる」と語る。現在、関係部からは数百もの対象案件の相談が舞い込んでいる。

多くの企業は、システムを開発する側と、ユーザ側の意見が食い違ったり、すりあわせに時間を要するケースがある。ユーザ部と開発部で二人三脚で進める三菱東京UFJ銀行においては、そのような悩みもないのかもしれない。

海外、MUFGへの拡大するCoE構想

現在の体制からの大幅な強化も検討しており、国内ではリテールや法人部門といったメジャー業務の効率化を推進する方針だ。

海外は、グローバルで専任組織であるCoE(Center of Excellence)を計画しており、アジアや欧米といった海外拠点の効率化を進めていく方針だという。

三菱東京UFJ銀行のデジタル企画部が中心となり、伝統的な金融機関の業務におけるRPAの可能性は最大限に引き出されつつあるといえそうだ。

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