次はスマホでATMを使う時代?「キャッシュカード」のイノベーション

次はスマホでATMを使う時代?「キャッシュカード」のイノベーション

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2017/03/02

(写真=giggsy25/Shutterstock.com)

ICカードによるサービスを活用していない人は、今や日本にはほとんどいないかもしれない。それほどまでに、近年ではICカードが生活の一部として浸透してきている。

代表的な例では、もちろん交通系電子マネーがあげられるだろう。Suica、PASMOやICOCAなどさまざまな種類のICカードが、サービス開始当初の電車やバスといった交通機関への乗車用、という用途を大きく超えた形で利用されている。駅前のコインロッカー利用時に、電子マネーで支払いを行うだけでなくカギとしても利用できるのはひとつの例でしかない。

ほかにも、住民基本台帳カードや運転免許証といった公的な身分証もICチップを埋め込んだタイプに置き換わり、ICカードの普及と浸透が進んでいる。

磁気からICチップへ「進化」したキャッシュカード

ICカードは今では金融サービスにも欠かせないものになりつつあり、ICキャッシュカードを手元に持つ消費者も増えてきていることだろう。ICカードの普及以前には磁気ストライプのキャッシュカードが使われており、偽造や情報漏洩の課題を抱えていた。

実際に、偽造キャッシュカードを用いた預金の不正引き出しの被害もあったため、ICチップ型の導入が進んだ。磁気ストライプ型からICカード型へのキャッシュカードの置き換えは、セキュリティ面の強化も期待した進化だったといえる。

次の進化は「スマホ化」? NFC型キャッシュカードという可能性

キャッシュカードの「次の技術進化」もすでに視野には入ってきている。IC型の次は、モバイル型キャッシュカードになるのではないかと注目されているのだ。簡単にいえば、スマートフォンにキャッシュカードの機能を持たせたものだ。

そのキーテクノロジーになるのが、スマートフォンでの採用が進んでいるNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)である。Google、Apple、RIMなどがすでにNFC搭載のスマートフォン端末を展開中だ。特に、電子マネーなどで使われてきたFeliCaに比べて、NFCは他の機器との間でのデータ通信や、非接触ICタグの読み取りが容易だという。

磁気ストライプ型であれIC型であれキャッシュカードをATMで使う際には、財布などからカードを取り出し読み取り口に挿入し取引を行う必要がある。一方で、スマートフォンにキャッシュカード機能が搭載されれば、NFCのリーダーにかざすだけでATMでの取引ができるだろう。ATMの利用者にとっては、操作が短縮され、取引をより短時間で終えられる。

ちなみにNFCでは、スマートフォンがスリープ状態でもデータを読み取れることから、ATMの前に立った際にスマートフォンを立ち上げる操作を行う必要もない。

「モバイル型」普及までのハード面の課題

NFC技術を用いたモバイル型のキャッシュカードへの移行で利便性の向上が見込まれるとはいえ、普及に向けた課題もみられる。

一つ目がスマートフォンのOS側の問題だ。Android以外のOSでNFCを活用したキャッシュカード機能が実用化されるかはまだ不透明である。またATMを運営する銀行にも、モバイル型キャッシュカードの普及に向けて対応しなければならないことがある。NFCリーダーを設置したATMネットワークに移行していくには、相応のコストと時間がかかることは容易に想像できる。

加えて、従来スマートフォンでのサービスを提供してきた三大キャリア以外から発行されるSIMを活用したネットワークが広がっていることもポイントだ。規格の多様化に影響されず利用できる、NFC型キャッシュカードの発行方式を考えなければならないという。

NFCキャッシュカードは実用化のフェーズ

すでに電子マネーなどでスマートフォンのNFC機能を利用している利用者には、キャッシュカードとしてのサービス提供も待たれるところだ。ATMネットワークでの実用化にはメーカーや通信事業者、金融機関などの対応が相互に関わっているため、その動向を追っていく必要がありそうだ。

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