ラストワンマイルの効率化競争が激化! 宅配ロボットやドローンが実用化へ

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2016/09/29

(写真=PIXTA)

さまざまな分野で自動化、IT化が進展している現代。物流ビジネスの中でも、荷物の集積拠点となる巨大施設の自動化、省力化が大幅に進んでいる。出荷作業などの一部をロボットが管理している、米Amazonの配送センターなどはその典型的な例だ。

一方、エンドユーザーとの商品受け渡しには引き続き多くの人手を要しており、恒常的なドライバー不足が続いている。その中で、ドライバーの負担を大幅に軽減するための自動化技術の開発に取り組む動きがみられ、実用化も目前に迫っているようだ。今回はその実情を探る。

配送の鍵を握るラストワンマイルとは?

現代の巨大物流ネットワークは、階層構造化された配送拠点とエンドユーザーにより構成されている。しかし、末端の配送拠点とエンドユーザーを結ぶ区間は「ラストワンマイル」と呼ばれており、自動化の行き届きにくい「最後の空白」と見る向きがあった。

実際のところ、東京や大阪などの大都市圏に設置されている巨大配送拠点では、劇的に自動化が進み、荷物の仕分けやトラックへの積み込みなどに割く人員は、大幅に減っている。他方で、ラストワンマイルは、ドライバーが直接エンドユーザーの元へ足を運び、積荷の受け渡しを行うしかないと考えられてきた。エンドユーザーは、高層オフィスビルから町工場、商店、戸建て住宅、大規模マンションなどさまざまな場所にいる。きめ細やかな個別対応が必要なため、単純に自動化を実現できていなかった。

日常生活へ広まる自動化の影響

すでに我々の日常生活には、自動化された多くのサービスが浸透している。商品取引の場合、申込みと承諾(約定)、代金支払(決済)はインターネットを介して24時間いつでもどこでも可能だ。さらに、注文した商品がハイテク物流施設に保管されていれば、商品の特定からピックアップまで自動的に行われる。

商品の配達(受渡)段階では、自動的に玄関先まで荷物を届けてくれるという状況には至っていないが、コンビニなどの店頭を自宅の宅配ボックス代わりに利用したり、ネットから配達時間を細かく指定したりすることは当たり前になっている。

また、実証実験段階だが、駐車場に停めてある自動車を利用した宅配サービスも始まっている。まず利用者が固有のデジタルキーを配送業者へ提供する。キーを受け取った業者は、利用者の車のトランクを開けて荷物の受け渡しを行う。利用者は、トランクが開いたことや再びロックされたことをネットで確認でき、配送・集荷が完了した時点でデジタルキーは再使用できなくなる仕組みだ。

ラストワンマイルのデリバリーロボット「Starship」

ラストワンマイルには、テクノロジースタートアップも目をつけている。2016年7月、Skypeの共同設立者Ahti Heinla氏とJanus Friis氏が設立したスタートアップStarship Technologiesは、家まで荷物を届ける小型デリバリーロボットの開発を進めている。

デリバリーロボットは、バックパック1つ分ほどの荷物を運ぶことができる無人機で、歩道を走って商品を配送する。ロボットは、コントロールセンターでオペレーターがモニターし、半径3マイル(約4.8キロメートル)以内の目的地へ小包や食料品を自動で配送するのだ。

Starship Technologiesの試算によれば、ロンドン中心部の配送コストは最大で1回12ポンド(1,620円)かかるが、電気モーターと自動運転機能を有する同社のロボットを使えば1回1ポンド(135円)まで削減できるそうだ。

また同社は、ヨーロッパ最大級の食品配送会社Just-Eat.com、ドイツ宅配便会社Hermes、同じくドイツのスーパーマーケットMETRO GROUP、ロンドン食品配送企業Prontoと提携し、デリバリーロボットのテストプログラムを開始すると発表した。将来的なサービス拡充にも積極的な姿勢を見せている。

今後、地上走行の小型ロボットやドローンに関する技術は、益々発展していくだろう。エンドユーザーのオフィスや自宅に、配送機を受け入れる駐機ボックスのような設備が普及すれば、自動配達が当たり前となる時代が到来するかもしれない。

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